研究課題/領域番号 |
22H03997
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田中 英一郎 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 教授 (10369952)
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研究分担者 |
弓削 類 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (20263676)
中川 慧 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (10711070)
李 義頡 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 教授 (60240404)
大澤 啓介 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 助教 (80962117)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 歩行補助 / リアルタイム感情疲労評価 / 人間状態モデル / 人に寄り添う自動チューニング / 底背屈動作補助 |
研究実績の概要 |
高齢者およびフレイルを対象として,脳卒中を防止するために運動促進が必要である.従来の動作補助ロボットは,物理的に補助するだけのものが大半であったが,本人のモチベーション維持が重要であり,対象者の感情や疲労の状態をリアルタイムに評価できることが必要であった.そのため,感情を快-不快,覚醒-睡眠の2軸で表し,現時点での対象者の感情位置を脳波と心拍よりニューラルネットワークを用いて推定可能とした.DNN,ResNet,DenceNetを用いたときの精度の比較を行い,DenceNetを用いた結果では,快-不快は86%,覚醒-睡眠は84%の精度を得ることができた.さらに筋疲労推定には,従来筋電の平均パワー周波数を使用していたが,光を当てるだけで評価できるNIRSを使用し,筋電結果と同様の変化傾向が得られること,ウォーミングアップ,疲労の周期を推定できることを確認した.また,2軸を感情評価,3軸目を筋疲労評価として,3次元人間状態モデルを構築し,快かつ覚醒状態でも早い速度で疲労が増えていれば危険であること,例え感情が快かつ覚醒から平常に落ち着いても速度を下げると疲労状態は下がらないことを確認し,これらを基に感情と疲労に応じて人に寄り添いながら歩行補助機を自動チューニングする手法を提案した.本手法を用いて歩行補助機を用いて実験したところ,6名中全員の3回目の疲労までの運動時間が増え,4名が歩行距離も延びており,有効性が示唆された.しかし本手法は1分に1度の比較的長い周期で目標値を変えているが,1歩ずつの適切な歩行周期や歩幅は異なる.そこで,短周期的に次の1歩の歩行周期と歩幅を予測し,今歩いている状態に即座に自動調整され,かつ各歩行位相では装置が装着者より少し速く動いて歩行運動を促進する手法を提案し,精度良く予測できることを確認した.また,底背屈を補助する歩行補助機の新たな構造も検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の根幹である,リアルタイム感情疲労評価が得られたこと,その結果に基づく歩行補助機の自動チューニング手法の提案とその有効性が確認できたことから,おおむね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は歩行補助システムの基本構築ができたが,医学専門の共同研究者より,歩行補助機の構造や重量について指摘があった.そのため,使用者の状態に応じて適切な補助が可能なハードウェアを検討する.また,運動中の使用者が自身の情報を得られること,モチベーションを維持だけでなく向上する手法を検討することが必要と考える.これらのシステムが完成した後,被験者を増やしてその効果を検証する.
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