研究課題/領域番号 |
23H00565
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
土屋 昌明 専修大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (80249268)
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研究分担者 |
横手 裕 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (10240201)
山下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 教授 (20383383)
鈴木 健郎 専修大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (40439518)
大形 徹 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 教授 (60152063)
二階堂 善弘 関西大学, 文学部, 教授 (70292258)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 中国宗教思想 / 洞窟 / 神仙 / 山岳信仰 / 神道 / 修験道 / 中国文学 / 国際学術交流 |
研究実績の概要 |
本研究では、道教の「洞天」とそこへの旅と修行を聖地と巡礼の観点から研究し、東アジアにおけるその思想文化の広がりを検討した。中国への現地調査は、コロナに対する中国の政策の関係で入国に不便な状態が続いており、大事を避けて現地調査を実施しなかった。文献研究としては、研究代表者は、洞天思想が中国文学に与えた影響を検討した。その一例として、李白の詩作と司馬承禎の洞天思想の関連について、香港浸会大学での国際学会に参加、中国語で論文を作成して、当該学会の報告論文集に寄稿した。また、中国各地の洞天の現状と歴史背景について考察し、論文「洞天福地と冥府に関する覚書」のほか、報告論文を作成した。研究分担者は、台湾で文献資料を収集・購入し、また上海師範大学で開催された国際会議「文本文献断代与運用」学術検討会(2023年9月15日~18日)で発表をおこなった。ほかに、論文「『封神演義』の仏教系人物について」、論文「巫・靈・□(医+殳+巫)・筮」を発表した。研究協力者は、論文「六朝道教における錬度観の変遷」、訳注「茅君内伝訳注研究(4)」、翻訳「韓国道教研究の動向と展望」を提出し、2024年5月現在、報告書として印刷に付す準備をしている。 2024年2月下旬にはフランスから5名の研究者を招き、総勢約35名による国際会議「日仏中国宗教研究者会議」を2日間にわたりおこなった。この機会に日仏共同の研究調査を実施し、伊勢神宮と中国宗教の関連について3日間にわたって調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2024年2月下旬にフランスから5名の研究者を招き、総勢約35名による国際会議「日仏中国宗教研究者会議」を2日間にわたりおこなった。この機会に日仏共同の研究調査を実施し、伊勢神宮と中国宗教の関連をめぐった調査を3日間にわたっておこなった。この企画は、当初の計画では2024年度末におこなう予定であったが、フランス側の諸事情により、1年くりあげて開催することになったものである。これにより、当初の計画以上に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
第一に、2024年2月下旬にフランスの研究者5名を招いておこなった国際会議の成果報告書を編集する。第二に、日仏共同の研究調査で伊勢神宮と中国宗教の関連をめぐった調査をおこなったことを基礎に、日本の神道と中国宗教および洞天思想の受容について研究を進める。第三に、中国各地の洞天に関する調査研究の総括的な内容および本研究の分担者・協力者が執筆した論文を編集して、成果報告書を印刷する。第四に、中国の文学に与えた洞天思想の影響を歴史的系統的に調査・研究して論文として発表する。第五に、中国南京の茅山を中心とした洞天について、中国側と共同の調査研究を2024年8月におこない、現地における国際会議に参加して、この地の洞天エリアに世界文化遺産候補たる文化的背景があることを論証する。第六に、2024年12月に北京大学が主催する洞天福地の国際会議に参加し、日本の思想文化史の研究に洞天思想の研究が有効であることを論証すると同時に、中国の研究者のみならず、欧米の研究者にも洞天思想の東アジア的展開の議論に参加するよう呼びかける。第七に、2023年度の本研究に関わる成果を編集して印刷発行する。現地調査としては、中国西南部にある洞天への現地調査を実施したい。
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