研究課題/領域番号 |
23H00572
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹澤 祐丈 京都大学, 経済学研究科, 准教授 (60362571)
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研究分担者 |
桑島 秀樹 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (30379896)
木村 俊道 九州大学, 法学研究院, 教授 (80305408)
森 直人 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (20467856)
佐藤 一進 神戸学院大学, 法学部, 准教授 (00554312)
武井 敬亮 福岡大学, 経済学部, 准教授 (90751090)
角田 俊男 武蔵大学, 人文学部, 教授 (20227458)
片山 文雄 東北工業大学, 総合教育センター, 教授 (40364400)
村田 陽 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (30823299)
貫 龍太 京都大学, 経済学研究科, 特定助教 (20962559)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 複合国家 / 思想史 / イギリス / J・G・A・ポーコック / 複合性の組み換え / 歴史叙述 / アイルランド / スコットランド |
研究実績の概要 |
本年度は、各自が文献分析を中心とする研究活動を行った。研究の進捗管理や意見交換のための研究会は、オンラインにより複数回開催した。 本年度は、複合国家イギリス内部の各地域の統合に関する同時代的議論の相互関係とその処方箋の諸相や、複合国家の組み換えに関する要因や議論の様相の分析を行った。 また3名のメンバーによる研究報告(18世紀の複合国家論の様相)を、日本イギリス哲学会の公募セッションで行った。そこでは、以下の3点を主張した。①17世紀段階の複合国家論の在り方と比べると、複合国家の組み換えに関する内部的な諸問題がそれなりの安定性を持った形で落ち着いたこと(名誉革命体制)を前提にする必要がある。しかしながら②イングランドの政治的な決定へのスコットランドの依存、宮廷と在野の対立、そしてプロテスタント的な教会と教義の在り方などの新しい論点と背景が18世紀複合国家論の前提となることを研究遂行にあたっては留意すべきである。したがって、③18世紀の複合国家論では、名誉革命体制における紐帯の在り方や不安定性に焦点を当てることになる。特に、イングランド、スコットランド、アイルランドとその外部の関係に関わる紐帯をめぐって議論が展開されること、そしてイギリスの外部とのつながりが、反対に、イギリス内部に緊張関係をもたらす側面を分析の視点として保持すべきである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第一年度は、複合国家イギリス内部の各地域の統合に関する同時代的議論の相互関係とそ の処方箋の分析することを目標としていた。そのために、年3回の研究会において個別研究の経過を報告するとともに、研究組織外の研究者からの知見と本課題への提言を得て 研究の進展を図るための学会シンポジウム(セッション)に応募の上で実施した。さらに、複合国家イギリスに関する重要な認識を示していると思われる思想家リストを18世紀に限定して作成・公表(上述シンポジウムでの配布)した。
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今後の研究の推進方策 |
第一年度に引き続き、第二年度にも、複合国家イギリス内部の各地域の統合に関する同時代的議論の相互関係と そ の 処方箋の 分析を行う。さらに共同研究者全員が個別課題を遂行することによって複合国家イギリスの複合性の組み換えに関する知見を豊かにしつつ、それらを共有する研究会を開催する。 研究期間の後半では、研究成果の取りまとめを行い、その書籍化の可能性を模索する。
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