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2023 年度 実績報告書

イングランド啓蒙の思想史的意義 ―拡散性とその受容の学際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23H00576
配分区分補助金
研究機関中央大学

研究代表者

青木 滋之  中央大学, 文学部, 教授 (50569069)

研究分担者 小城 拓理  愛知学院大学, 総合政策学部, 准教授 (10733040)
武井 敬亮  福岡大学, 経済学部, 准教授 (90751090)
竹中 真也  中央大学, 理工学部, 准教授 (50816907)
中野 安章  慶應義塾大学, 商学部(日吉), 講師(非常勤) (40896940)
渡邊 裕一  熊本学園大学, 経済学部, 准教授 (60848969)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワードイングランド啓蒙 / 啓蒙主義 / イングランド / ウルストンクラフト / 啓蒙主義に先立つ啓蒙 / 実験哲学 / 自律 / 寛容
研究実績の概要

初年度である2023年度では、これから各メンバーが4年間の研究期間の間にどのような研究を行っていくか、どのような論文として成果をまとめていけそうか、という点について研究会で話し合いを行った。その結果、・社会契約論の継承と断絶/・実験哲学のアイルランド、スコットランドへの伝播/・イングランド自然神学の伝統/・理神論とアングリカン思想との比較分析/・ケンブリッジ・プラトニストと大陸哲学者との関係/・イングランド啓蒙における「愛」の思想と「ケアの倫理」の接点/・ロック経験論からフランス唯物論へ、といった研究テーマが各メンバーから掲げられた。2019-2022年度の基盤B研究「イングランド啓蒙への学際的アプローチ」で明らかにされたイングランド啓蒙の「実験性」「自律性」「寛容性」という特徴的な三側面が、どのように後の時代に伝播されていったのかを研究するのが、本研究課題の中心的命題となる。具体的には、イングランド啓蒙が次世代において、アイルランド、スコットランドというイギリス諸島の中でどのように拡散され受容されていったか、さらに大陸のフランスやドイツといった国々の啓蒙主義運動にどのような影響を与えたのか、といったテーマが具体的なリサーチクエスチョンとなる。
また、2023年度では、2019-2022の基盤B研究「イングランド啓蒙への学際的アプローチ」の成果公表についての、論文集についての研究会、打ち合わせも行われた。特に、分担研究者ではない研究協力者として、梅垣千尋氏の「18世紀末の女性思想家たちにとっての「啓蒙」――ウルストンクラフト、モア、バーボールドのロック受容を手がかりに」が取り上げられ、評者2人および研究会メンバーを交えた、活発な議論や意見交換が行われた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度からの本研究課題については、各メンバーによる研究計画が披露され、今後の研究が期待できるが、他方で、本研究課題の前提となる2019-2022年度の基盤B研究の成果公表が遅れている。本研究課題に弾みをつける上でも、「イングランド啓蒙への学際的アプローチ」で明らかにされたイングランド啓蒙の「実験性」「自律性」「寛容性」についての成果を研究書として早くまとめ、参照軸として確立させなければならない。

今後の研究の推進方策

本報告書を執筆している時点で、2019-2022年度の基盤B研究の成果公表に向けた準備はほぼ終わっており、研究書としての体裁もまとまりつつある。また、とりわけ「実験性」については、6月頭にシドニー大学のピーターアンスティ教授を招いたワークショップも企画が進んでおり、今後の研究の弾みになることが期待できる。「自律性」「寛容性」についても、海外の第一線の研究者を交えた議論、交流を図っていくことで、本研究課題の国際水準での存在感や意義、インパクトを高めていきたい。

  • 研究成果

    (19件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (6件) 学会発表 (10件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ジョン・ロック(山田園子訳)『寛容書簡』2024

    • 著者名/発表者名
      柏崎正憲
    • 雑誌名

      『イギリス哲学研究』

      巻: 47 ページ: 101-103

  • [雑誌論文] 書評:Diego Lucci, John Locke's Christianity (Cambridge, 2021)2024

    • 著者名/発表者名
      武井敬亮
    • 雑誌名

      『イギリス哲学研究』

      巻: 47 ページ: 119-121

  • [雑誌論文] 『サイリス』におけるバークリーの生命哲学2024

    • 著者名/発表者名
      中野安章
    • 雑誌名

      『人文』(学習院大学 人文科学研究所)

      巻: 22 ページ: 31-53

  • [雑誌論文] 日本の「入国管理」体制 事実上の移民政策と制度化された人権侵害を問う2023

    • 著者名/発表者名
      柏崎正憲
    • 雑誌名

      『季刊経済理論』

      巻: 2 ページ: 6-20

  • [雑誌論文] 書評「クランストン『ジョン・ロック伝』(みすず書房、2022)2023

    • 著者名/発表者名
      小城拓理
    • 雑誌名

      『図書新聞』

      巻: 3578 ページ: 3578

  • [雑誌論文] カドワースにおける人間論2023

    • 著者名/発表者名
      竹中真也
    • 雑誌名

      『紀要ー哲学』(中央大学文学部)

      巻: 65 ページ: 77-93

  • [学会発表] 効用の道徳化と労働倫理の転換 フランシス・ベーコンとジョン・ロック2024

    • 著者名/発表者名
      柏崎正憲
    • 学会等名
      日本イギリス哲学会第48回研究大会
  • [学会発表] バークリの倫理学2024

    • 著者名/発表者名
      竹中真也
    • 学会等名
      日本イギリス理想主義学会
  • [学会発表] ジョン・ロックとウィリアム・モリニューとの往復書簡2023

    • 著者名/発表者名
      青木滋之
    • 学会等名
      第17回ジョン・ロック研究会
  • [学会発表] 梅垣千尋「18世紀末の女性思想家たちにとっての「啓蒙」──ウルストンクラフト、モア、バーボールドのロック受容を手がかりに」へのコメントと質問2023

    • 著者名/発表者名
      青木滋之
    • 学会等名
      第32回イングランド啓蒙研究会
  • [学会発表] 複数世界論から生まれた近代哲学2023

    • 著者名/発表者名
      青木滋之
    • 学会等名
      Japan Geoscience Union Meeting 2023
  • [学会発表] ニュートン時代の複数世界論2023

    • 著者名/発表者名
      青木滋之
    • 学会等名
      Japan Geoscience Union Meeting 2023
  • [学会発表] イングランド啓蒙のキーコンセプトとしての自律性と自立性2023

    • 著者名/発表者名
      柏崎正憲
    • 学会等名
      第17回ジョン・ロック研究会
  • [学会発表] 社会契約論の継承と断絶2023

    • 著者名/発表者名
      小城拓理
    • 学会等名
      第33回イングランド啓蒙研究会
  • [学会発表] ロック・リンボルク往復書簡に見る「意志の自由」の問題2023

    • 著者名/発表者名
      中野安章
    • 学会等名
      第17回ジョン・ロック研究会
  • [学会発表] 書簡に見る初期ロックの人柄と思想の断片2023

    • 著者名/発表者名
      渡邊裕一
    • 学会等名
      第17回ジョン・ロック研究会
  • [図書] 『近代英国哲学とキリスト教神学』第二章「バークリにおけるキリスト教神学」2024

    • 著者名/発表者名
      竹中真也
    • 総ページ数
      276
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      477103818X
  • [図書] 『知識ゼロでも楽しく読める!哲学 : イラスト&図解』2023

    • 著者名/発表者名
      青木滋之
    • 総ページ数
      223
    • 出版者
      西東社
    • ISBN
      9784791631971
  • [備考] イングランド啓蒙研究会

    • URL

      https://english-enlightenment-f-j.blogspot.com/

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公開日: 2024-12-25  

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