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2023 年度 実績報告書

連歌総目録の補完と新システムの構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23H00609
配分区分補助金
研究機関公益財団法人東洋文庫

研究代表者

深沢 眞二  公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (80218875)

研究分担者 生田 慶穂  山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (00846230)
綿抜 豊昭  筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (30211676)
伊藤 伸江  愛知県立大学, 日本文化学部, 教授 (30259311)
中村 健史  神戸学院大学, 人文学部, 准教授 (50753505)
楊 昆鵬  武蔵野大学, 文学部, 教授 (60712180)
川崎 美穏  愛知教育大学, 教育学部, 助教 (60965010)
松本 麻子  聖徳大学, 文学部, 教授 (70708990)
三原 尚子  京都精華大学, 国際文化学部, 講師 (80966408)
長谷川 千尋  京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (90431296)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード連歌 / データベース
研究実績の概要

1980年代から2000年代初頭にかけて蓄積されてきた「連歌総目録」のtextデータを点検し(①)、未載録だった連歌資料のtextデータを作成して(②)、新たな「連歌総目録」データベースを構築する(③)という3段階で、この研究事業を計画している。
2023年度は、①については、過去に利用したが死蔵状態にあった大量の資料写真を、専門業者に依頼してスキャニングし、画像データとして科研メンバー全体で共有することができた。それを用いて、分担および編集方針を決めた上で、既存のtextデータの点検作業を始めている。既存データの件数は約17000件で、年度末の点検済は10%ほどである。
②については、旧「連歌総目録」で取り漏らした連歌資料やそれ以降に公開された連歌資料について、影印・翻刻の出版物、または、注文すれば購入の可能な写真を購入し、所蔵者・所蔵機関によってインターネット上に画像公開されたものはネットで閲覧することにして、準備を整えた。ただ、まだ情報を交換して分担などを決めた段階であり、新載録データの入力作業は始まったばかりである。
③については、データベース構築の専門家である、筑波大学の時井真紀准教授に協力を依頼したところ、さっそく試行版の「連歌総目録」データベースを立ち上げていただいた。時井准教授と頻繁に意見交換を行い、システムの更新を重ねてきている。またすでに、①の点検済のデータを逐次反映させることが可能になっている。その試行版データベースを利用して①の作業がスムーズになってもいる。
①②③の実践のために、9月と2月に打ち合わせの会合を東洋文庫で開いた。また、メンバー個々に、連歌資料の所蔵者・所蔵機関のもとに出張した。なお、大阪大学文学部の浅井美峰准教授の協力を得て、同学部所蔵の連歌資料を調査した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

連歌総目録の事業のために蓄積してあった写真資料・翻刻資料のスキャニングを完了し、代表者・分担者の全員で共有することができた。その上で、入力の手順と送信の方法を科研メンバー間で協議・確認して、textデータの点検と新載録に着手することができた。
また、筑波大学の時井真紀准教授の協力により試行版「連歌総目録」データベースが立ち上げられ、逐次改良が加えられつつある。その試行版の成立は、データの点検と新載録の作業に非常に役に立ってもいる。
このように、初年度である2023年度、連歌総目録の補完を着実に進めることができた。

今後の研究の推進方策

現在は、既存の「連歌総目録」データの補完と新しいデータベースの構築という、この研究事業の目的のためのツールが整い、既存データの点検と新載録に着手した段階である。今後、2024・2025年度は、科研メンバーが打ち合わせた分担に従い、院生や若手研究者をアルバイトに使いながら、作業を着実に進める予定である(そのアルバイトらが将来の連歌研究者に育つことを期待している)。
点検や新載録のために連歌資料の所蔵機関・所蔵者を個人やグループで訪問し、直接のデータ入力や写真撮影を行うことも計画している。
新しい「連歌総目録」データベースについては、筑波大学の時井真紀准教授の協力をあおぎ、デザインを磨いてゆく。2025年度中には一般公開して、広く文学分野・歴史分野の研究者の利用に供することを目指している。ただ、さらにその先、事業の期間が終わった後に、どこの機関にデータベースを置き、どのようにして継続的な管理・更新を可能にするかが課題である。2025年度の末までには見通しが立っているよう、調整を図りたい。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (6件) (うちオープンアクセス 3件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 『古聯句集叢』の基礎的研究ー中世末-近世初期の聯句抜書集ー2024

    • 著者名/発表者名
      川﨑美穏
    • 雑誌名

      国語国文學報

      巻: 82 ページ: 61-75

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「里村昌逸一座連歌集」(仮称)2024

    • 著者名/発表者名
      綿抜豊昭
    • 雑誌名

      科研報告資料集

      巻: なし ページ: 1-18

  • [雑誌論文] 大浜称名寺と柳営連歌―称名寺蔵天保期連歌資料と『大願成就記』から―2024

    • 著者名/発表者名
      伊藤伸江
    • 雑誌名

      愛知県立大学 人間の尊厳と平和のための人文社会研究所 人文社会論叢

      巻: 3 ページ: 1-14

    • DOI

      10.15088/0002000181

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 【翻刻】永閑独吟百韻自注2023

    • 著者名/発表者名
      浅田徹, 生田慶穂, 浅井美峰, 吉本綾佳
    • 雑誌名

      国文

      巻: 139 ページ: 14-29

  • [雑誌論文] 読まれる連歌と詠む連歌 ―紹巴の百韻から考える―2023

    • 著者名/発表者名
      松本麻子
    • 雑誌名

      中世文学

      巻: 68 ページ: 117-131

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 和漢聯句に見える「孝」の題材2023

    • 著者名/発表者名
      楊昆鵬
    • 雑誌名

      アジア遊学-東アジアの「孝」の文化史

      巻: 288 ページ: 300-310

  • [学会発表] 『紹三問答』再考―里村昌叱・前田玄以宛三甫書簡を手がかりに―2023

    • 著者名/発表者名
      川﨑美穏
    • 学会等名
      俳文学会第74回全国大会(豊橋技術科学大学)
  • [学会発表] 紹巴時代の百韻連歌について2023

    • 著者名/発表者名
      松本麻子
    • 学会等名
      俳文学会東京研究例会
  • [図書] 後陽成天皇2024

    • 著者名/発表者名
      楊昆鵬,綿抜豊昭(共著、橋本政宣編)
    • 総ページ数
      645
    • 出版者
      宮帯出版社
    • ISBN
      9784801603080
  • [図書] 『百韻連歌撰注釈 第一巻』2023

    • 著者名/発表者名
      川﨑美穏,松本麻子(共著、連歌注釈書刊行会編)
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      新典社
    • ISBN
      9784787906533
  • [図書] 『連歌大観』第四巻 千句連歌集2023

    • 著者名/発表者名
      川﨑美穏,松本麻子(共著、廣木一人, 松本麻子編)
    • 総ページ数
      525
    • 出版者
      古典ライブラリー
    • ISBN
      9784904470084

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公開日: 2024-12-25  

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