• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

日琉諸語における数カテゴリーとその表現方法に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23H00634
配分区分補助金
研究機関九州大学

研究代表者

下地 理則  九州大学, 人文科学研究院, 教授 (80570621)

研究分担者 山田 真寛  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 准教授 (10734626)
平子 達也  南山大学, 人文学部, 准教授 (30758149)
新永 悠人  弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (50812244)
小西 いずみ  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (60315736)
上林 葵  志學館大学, 人間関係学部, 講師 (60910049)
佐々木 冠  立命館大学, 言語教育情報研究科, 教授 (80312784)
クリストファー デイビス  琉球大学, 国際地域創造学部, 准教授 (80647339)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード日琉諸語 / 方言 / 数 / 言語類型論 / 日本語学 / 言語学
研究実績の概要

本年度は,来年度以降の統一的なテーマ設定による大規模な調査に備え,それぞれの地域の予備調査による基礎的なデータ収集と,理論的な背景の把握につとめるため,各分担者のそれぞれがそれぞれのペースで予備的な調査及び文献の読み込みを行う期間であった。滋賀県大津市方言の音韻論の調査結果、兵庫県神戸市方言の助詞の調査など、数カテゴリーの調査の基礎調査として行ったフィールド記述調査の成果が分担者によって上がっている。従って、今年度の分担者の業績に、数カテゴリーに特化した業績はまだ少ないが、しかしそれぞれの担当方言に関する記述の成果は順調に上がっている。

一方,研究代表である下地は,上記の作業に加えて,すでに着手していた除外包括に関する研究を進め,査読つき国際誌での発表を行うなど,数カテゴリーに関して目に見える成果もあった。特に、除外包括と数の密接な関連について、琉球の双数形の発達過程と除外包括の区別に関連があることを明らかにした。さらに、これまで双数が報告されていなかった沖縄語にも、双数が存在することを新たに明らかにした(沖縄語の今帰仁方言)。これにより、沖縄語の特に北部方言に関して、双数の有無を調査する必要性が明らかとなった。

除外包括に関しては、別の業績も示すことができた。琉球諸語の1人称単数形、除外形、包括形を横断的に比較する研究を行い、通言語的に言われてきた「包括形は1人称複数か」という理論的問題に対して、実証データによる論証を示すことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

すでに「研究実績の概要」で述べたとおり,本年度の目標である基礎的データ収集と理論的な背景の把握に関する作業は各分担者において順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

来年度は,研究代表者を含む数人による統一的な調査票の準備(4-7月)と,全員による検討のための会議(7-9月),その調査票及びテーマに基づいた通方言的大規模調査(9月以降),そしてその結果の検討(12月-2月)を計画している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Inclusives as a distinct person category2024

    • 著者名/発表者名
      Shimoji, Michinori
    • 雑誌名

      Language in Japan

      巻: 1 ページ: 69-92

    • DOI

      10.20666/lij.1.0_62

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 服部紀子著『「格」の日本語学史的研究 江戸期蘭文典と国学からの影響』2023

    • 著者名/発表者名
      佐々木冠
    • 雑誌名

      日本語の研究

      巻: 19 ページ: 49-56

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 兵庫県神戸市方言の終助詞「ゾ」に関する内省報告 ―音調による違いを中心に―2023

    • 著者名/発表者名
      上林葵
    • 雑誌名

      志學館大学人間関係学部研究紀要

      巻: 45 ページ: 1-15

  • [図書] 『日本語と近隣言語における文法化』2023

    • 著者名/発表者名
      ハイコナロック・青木博史編
    • 総ページ数
      356
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      978-4-8234-1169-4

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi