研究課題
本研究は、アゼルバイジャンで現在、調査可能な代表的ネアンデルタール人遺跡の理化学年代測定を実施し、その編年を構築することを目的とする。これにより、南コーカサス地方におけるネアンデルタール人の絶滅年代を定め、彼らが新人ホモ・サピエンスと山岳地帯において長期間共存していたという近年の学説を検証する。加えて、石器分析をとおして、新人侵入期においてネアンデルタール人の社会がどのように変化して絶滅にいたったのかを論じることとする。本年度は次の研究をおこなった。(1)筆者らが2016-2022年に調査したダムジリ洞窟出土石器群の分析、(2)1958年に発掘されたダシュサラフル洞窟出土石器群の分析、(3)ダシュサラフル洞窟の発掘、(4)タグラル洞窟の現地調査。いずれもアゼルバイジャンに渡航して実施したものである。二つの石器群の分析によりネアンデルタール社会の文化動態についての最新の知見が得られたため(1、2)、論文執筆を開始した。すくなくともダムジリ洞窟の成果は2024年度には出版の目処が立った。一方、ダシュサラフル洞窟には文化層が残存していないことが判明した(3)。そのため別候補として、1960-70年代に発掘されて以降、現代的調査がなされていなかったタグラル洞窟を踏査したところ良好な文化層が同定できた(4)。年代測定用のサンプルを採取し現在、国内で分析が順調に進んでいる。これについても可及的速やかに公表すべく論文執筆の準備を開始した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 7件、 オープンアクセス 9件、 査読あり 7件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (3件)
考古学が語る古代オリエント-第31回西アジア発掘調査報告会報告集
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