研究課題/領域番号 |
23H00799
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
阿部 修人 一橋大学, 経済研究所, 教授 (30323893)
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研究分担者 |
外木 暁幸 東洋大学, 経済学部, 准教授 (20709688)
清水 千弘 一橋大学, 大学院ソーシャル・データサイエンス研究科, 教授 (50406667)
佐藤 秀保 東洋大学, 食環境科学部, 准教授 (70805118)
稲倉 典子 四国大学, 経営情報学部, 准教授 (90845257)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 物価指数 / 集計理論 / 家計消費 / 高頻度データ |
研究実績の概要 |
2023年度では、商品が時点によりかわっていく場合に、連鎖ドリフトが生じない物価指数の構築を行った。2023年5月にオランダのフローニンゲンで開かれたRobert Feenstra等、多くの指数研究者が集う国際ワークショップで研究報告し、多くのコメントを得た。特に、財が変化していく際に、それが供給要因なのか、需要要因なのか、それを識別する方法に関して多くのコメントを得、それを踏まえて論文を改定し、7月にカナダのオタワで開かれた国際統計学会で報告した。国際統計学会では世界各国のスキャナーデータを用いた指数研究者が集まっており、多くのコメントを得た。10月に東京でErwin Diewert、Prasada Rao達を招聘して開催した経済計測に関する国際ワークショップ、および2024年1月にRobert Hill達をまじえたオンラインセミナー、その両方で研究報告し、さらなる改定に関する多くのコメントを得た。この論文は現在、さらに2024年夏にアメリカ合衆国アトランタで開催されるSociety of Economic Measurementの学会で報告予定である。また、家計調査を用いた分析は、四国大学の稲倉と共同研究として10月の国際ワークショップで報告し、様々なコメントを得た。デフレーターとして地域・年収・年齢の影響を加味した最良指数を用いることの影響を分析することが本研究の主要な論点であったが、10月のワークショップで得たコメントを踏まえ、さらに、政府提供の公共サービスを含めた家計現実消費の側面も反映させることで、家計厚生の格差がより明確に出るようになった。この研究は2024年の5月に開催予定のオタワ会議で報告予定である。また、Almost Ideal Demandシステムを用いた生計費指数の公理的特徴の分析も進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
財が変化していくことを踏まえた、連鎖ドリフトの生じない生計費指数の構築、という主要課題に関しては、その研究の早期段階で多くのプレゼンテーションの機会を得、改善に関するコメントを第一人者達から得ることができた。さらに多くの研究報告を重ねる予定もできており、2024年度には完成させ雑誌に投稿することが可能と思われる。また、家計消費に関する研究も多くのコメントを得、2024年度中には投稿可能な段階に進める予定である。Almost Ideal Demandシステムに関する研究も主要結果はまとまりつつあり、2024年度中には研究報告のできる段階に進むと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は研究成果の雑誌への投稿を開始、現在萌芽段階の研究の成果をまとめること、を進めると同時に、論文にまとめる際に落とした内容を新たな研究プロジェクトとして開始する。また、2025年3月には国際国富学会を一橋大学で主催することが決定しており、そこに集まる多数の経済計測の研究者とmeetingを設定し、研究プロジェクトに関して議論する機会を設ける。また、阿部は2024年9月からサバチカルをとる予定であり、本研究プロジェクトの推進に集中する。
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