研究課題/領域番号 |
23H00926
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
服部 美奈 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (30298442)
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研究分担者 |
松本 麻人 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (10727168)
宮崎 元裕 京都女子大学, 発達教育学部, 准教授 (20422917)
中田 有紀 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (30553771)
濱谷 佳奈 中央大学, 文学部, 准教授 (60613073)
高橋 春菜 盛岡大学, 文学部, 准教授 (80781418)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 宗教間融和 / 宗教知の創造 / 指導者養成 / 宗教教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、マレー世界のイスラーム教育研究に多宗教の観点と国際比較の観点とを加え、多元的価値と宗教間融和に対応する宗教知の創造と宗教教育の実践を明らかにすることを目的とする。研究対象国は、インドネシア、トルコ、ドイツ、イタリア、韓国とする。各国の特徴を明らかにするとともに、これらを地域横断的、宗教横断的に考察することにより、立体的に宗教知の創造と宗教教育の実践の現代的特徴と課題を明らかにすることを最終的な到達点とする。 研究課題は、1.宗教指導者による多元的価値と宗教間融和に対応する宗教知の創造(宗教指導者が、どのような①機関を通じ、②プロセスで、③宗教知を創造しているかを分析)、2.養成機関における多元的価値と宗教間融和に対応する宗教知の創造(各宗教がどのような養成機関を有しているか、同機関で行われる教育の特徴を分析)、3.公教育および宗教施設で行われる宗教教育の多元的価値と宗教間融和への対応(各国の宗教教育が、どのような構造と形態で、多元的価値と宗教間融和にいかに対応しているかに関する現地調査)、4.総合的考察(宗教知の創造と宗教教育の実践の特徴を地域横断的・宗教横断的に考察し、その構造を立体的に考察)である。 初年度となる2023年度は、公教育で行われる宗教教育の多元的価値と宗教間融和への対応に関する資料収集と同時に、現地調査をイタリア、ドイツ、韓国で実施した。イタリアでは、政教関係の変遷、公立校における宗教科「カトリック教育」の概要と位置づけ、ローマカトリック教会立神学校における教員養成課程、カトリック教会による司牧活動の観察等を実施した。ドイツでは、カトリックにおける宗教間対話に関する調査、学校での宗教科および宗教施設での学習観察を実施した。韓国においても神学校に関する現地調査を実施した。トルコとインドネシアに関しては宗教教育関連の文献収集を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度となる2023年度は、公教育および宗教施設で行われる宗教教育における多元的価値と宗教間融和への対応に関して資料収集および文献研究を行うと同時に、イタリア、ドイツ、韓国で現地調査を実施した。イタリアでは予備調査として、政教関係の変遷、公立校における宗教科「カトリック教育」の概要と位置づけと教科書分析、ローマカトリック教会立神学校における教員養成課程、カトリック教会による司牧活動の観察等を実施した。ドイツでは、カトリックにおける宗教間対話に関する調査、学校での宗教科および宗教施設での学習観察を実施した。韓国においても神学校に関する現地調査を実施した。トルコとインドネシアに関しては宗教教育関連の文献収集を実施した。進捗状況は概ね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年は可能な限り現地調査を実施する。しかし、万が一、現地調査が困難な場合は文献資料を中心に研究を継続する。 2024年度は、2023年度で行った研究の継続と同時に、宗教指導者による多元的価値と宗教間融和に対応する宗教知の創造、および宗教指導者養成機関における多元的価値と宗教間融和に対応する宗教知の創造に関しても研究を進め、その特徴を地域横断的・宗教横断的に考察し、その構造を立体的に明らかにすることを試みる。 以上の分析を通して、宗教が公共宗教として積極的な役割をもつことが期待される市民社会において、多元的価値と宗教間融和に対応する宗教知の創造と宗教教育の実践はいかなる形態のもとで実現できるかを明らかにすることを最終的な到達点とする。
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