研究課題/領域番号 |
23H00974
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
河瀬 諭 神戸学院大学, 心理学部, 准教授 (90507469)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 音楽 / 身体 / グルーヴ / 社会的絆 / 運動 / 同期 |
研究実績の概要 |
音楽に合わせて身体を動かす活動は、古今東西、多くの文化で見られる。このような音楽と身体の動きのつながりは、「グルーヴ」として近年盛んに研究が進められている。グルーヴは、心理、生理、運動などの様々な側面からそのメカニズムが検討されている。そして、グルーヴをもたらす音楽の音響的・音楽的特徴や、個人の特徴による違い(個人差)など、様々な要因が、グルーヴに影響することが示唆されている。一方で、音楽に合わせて他者と一緒に運動するという行為は、祭事での舞踊や教育現場でのダンスや音楽活動など、様々な場面で見られる。音楽に合わせて他者と動くと、社会的な絆が形成されることが指摘されている。このような共同的な音楽・身体活動による社会的絆の形成は、幼児段階から見られ、人の社会的な関係性の構築において、重要な役割を果たすといわれている。本研究では、社会的な絆の形成に、どのような要因が関与しているかについて検討する。 本年度は、いくつかの調査を実施するとともに、実験の準備も進めた。コード進行により音楽の持つ感情的な性質を操作し、その際のグルーヴを検討した。その結果、感情的にポジティブな性質を付加された刺激は、よりグルーヴ感が高かった。一方で、リズムの側面(ドラムの存在やテンポ)の影響は大きいことも示された。くわえて、他研究者とも研究を進めた。調査では、人の基礎的な認知メカニズムに関するものに加え、より現実場面に近いような場面を想定したものも実施した。これらの調査の分析は既に進めており、興味深い示唆を得ている。これらついては、次年度以降、成果発表していく予定である。また、本年度は、アウトリーチ活動も積極的に行い、本分野の研究内容を幅広い場面で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
オンライン調査を実施することができ、アウトリーチ活動も行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、前年度に実施した調査の成果発表を進めるとともに、新たな実験の実施準備も進める。また、アウトリーチ活動も積極的に進める。
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備考 |
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