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2023 年度 実績報告書

医師患者間・医療面接教育用AIバーチャル模擬患者の開発と医学生の学修効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 23H01009
配分区分補助金
研究機関昭和大学

研究代表者

土屋 静馬  昭和大学, 医学部, 准教授 (70439438)

研究分担者 泉 美貴  昭和大学, 医学部, 教授 (30228655)
木内 祐二  昭和大学, 医学部, 教授 (50204821)
古田 厚子  昭和大学, 医学部, 講師 (90384461)
川原 千香子  昭和大学, 医学部, 准教授 (10762081)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード医学教育 / 医療面接 / 生成系AI / 自己学修支援
研究実績の概要

初年度である2023年は日本語双方向性会話型AIバーチャル模擬患者(AI-VSPs)ソフトウェアの開発を行った。この段階では「医療面接」における3要素のうちの主に①医師‐患者コミュニケーションの構造の解明、および②臨床推論の機能訓練に応対した日本語会話型AI-VSPsの開発であり、①については模擬医療面接演習をとうして医師と患者のコミュニケーションのパターンを構造化した。特に医療面接における病歴に関する情報収集の内容や順番だけでなく、会話における間の取り方、共感のためにすぐ声かけなどについても詳しくデータ収集し、テキストデータ化して、AI-VSPsが動作するための基礎的なデータとした。さらにこれらのデータを生成系AI(Chat GPT)によって動作するシステム内に組み込み、AI-VSPsが声かけに対して適切に応答する基本的なシステムを構築した。そして、当初の研究計画どうりにこれらの基本的なシステムを利用してAI-VSPsのプロトタイプを作成することができた。このプロトタイプは共同研究者らによって、適切な応答ができるように動作確認や内容の正確性についてで確認をした。さらに実際に小規模の医学部の学生にこのプロトタイプをトライアルとして体験してもらい、会話のスムーズさ、応答の正確さ、使用感についてフィードバックを得た。また当初は一つのシナリオのみでの動作であったが、 シナリオ数を増やし、さらに自己学修支援ソフトウェアとして実践的な練習が可能な様式として発展させた。以上から、研究計画書に記載した以上の進路で研究が進捗していると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の研究計画書では、AI-VSPsの心臓部にあたる生成系AIを活用した自動会話システムの構築に時間をかける予定だったが、現時点ではほぼ想定どうりの応答ができるシステムを構築することができている。そのため現段階の研究開発における課題は、学生向けの医療面接における自己学習支援ソフトウェアとしての性能の向上、ユーザーフレンドリーのシステムの構築である。そのため、本ソフトウェアを学習基盤システム(LMS)上で動作できる環境を整備している。これは単に医療面接の技能の向上を目的とするのみでなく、カリキュラムの過程で使用している教科書の内容と連動させたり、クイズ形式で基本的な知識を問うシステムと併用して使用することによって、より高い学習効果を狙った仕組みを作ることを目的としている。次年度については、これらのシステムを利用して学年全体に医療面接練習用のカリキュラムを導入し、実施する予定である。

今後の研究の推進方策

上記のように、現在開発している医療面接自己学習支援システム全体の開発を行っている。 そのため、2024年度についてはAI-VSPsの応答の正確性、スムーズさ、使用感の向上だけでなく、AI-VSPsをLMS上にどのように設定するかについても研究を進める予定である。特に上述のように、AI-VSPsによる医療面接の技術的な向上だけでなく、医療面接に関連する知識の修得を、動画や問題演習などを通じてできるシステムを構築する。さらに、それらを活用した医療面接の練習のためのカリキュラムを導入し、実際のシステムの運用、動作を確認し、自己学修支援システムを実用化する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 昭和大学医学部 新カリキュラム (2020)の「臨床実習」の挑戦 ― 卒業時に主体的に診療ができる医師の育成を目指して2024

    • 著者名/発表者名
      土屋静馬
    • 雑誌名

      昭和学士会雑誌

      巻: - ページ: In press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Body Interactによる教育革命: バーチャル患者と仮想シミュレーションの新時代2024

    • 著者名/発表者名
      土屋静馬
    • 雑誌名

      モダンメディア(医学と公衆衛生の学術誌)

      巻: In press ページ: -

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 医療者の"人間性教育"に残されている課題 「マインドフル・プラクティス」の授業実践とその教育効果2023

    • 著者名/発表者名
      土屋静馬
    • 雑誌名

      「医学教育」(日本医学教育学会学会誌)

      巻: 53(3) ページ: 289

    • DOI

      10.11307/mededjapan.54.3_289

    • 査読あり
  • [学会発表] Adaptive challenges of curriculum implementation for enhancing medical student resilience at Showa University in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Shizuma Tsuchiya
    • 学会等名
      4th International Congress on Whole Person Care
    • 国際学会
  • [学会発表] 『医療面接教育用・対話型AIバーチャル模擬患者』の開発と国内医学部カリキュラムでの導入の検討2023

    • 著者名/発表者名
      土屋静馬
    • 学会等名
      第55回日本医学教育学会
  • [学会発表] パネルディスカッション『内科医の視点からあらためて「全人的医療」を問う!』2023

    • 著者名/発表者名
      土屋静馬
    • 学会等名
      第109回日本内科学会
  • [学会発表] 緩和ケアにマインドフルネスとコンパッションをどう活かすか? 臨床での「いま・ここ」への気づきの活かし方2023

    • 著者名/発表者名
      土屋静馬
    • 学会等名
      日本緩和医療学会
  • [学会発表] 臨床での「いま・ここ」への気づきの活かし方ー医師・患者関係の構築2023

    • 著者名/発表者名
      土屋静馬
    • 学会等名
      日本サイコ・オンコロジー学会
  • [図書] マインドフル・プラクティス - 医療を支えるマインドフルネス-ある臨床家の実践2023

    • 著者名/発表者名
      土屋静馬
    • 総ページ数
      318
    • 出版者
      メディカル・インターナショナル・サイエンス

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公開日: 2024-12-25  

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