研究課題/領域番号 |
23H01043
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
中村 菜々子 中央大学, 文学部, 教授 (80350437)
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研究分担者 |
大井 瞳 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 特命室長 (00885204)
中島 俊 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 准教授 (10617971)
岩山 孝幸 昭和女子大学, 人間社会学部, 助教 (10888019)
高梨 利恵子 帝京大学, 文学部, 講師 (30755848)
實吉 綾子 帝京大学, 文学部, 准教授 (90459389)
村中 誠司 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 助教 (90878349)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | マルチモーダル / コミュニケーション / センシング / 心理療法 |
研究実績の概要 |
本研究は、臨床心理学と実験心理学の統合的アプローチにより、心理療法におけるセラピスト―クライエント間のコミュニケーションプロセスを、言語的および非言語的要素の相互作用という観点から解明することを目的とする。具体的には、セラピストとクライエント両者から、言語的(逐語録)・非言語的(視線、音声、脳活動)データを経時的に二者同時測定し、これらのマルチモーダルデータを解析することを最終的な目的としている。 2023年度は、1)マルチモーダル・センシングを用いてコミュニケーションプロセスを検討した先行研究のレビューを行い、2)マルチモーダルデータ解析の方法論開発のために、心理療法場面のクライエント―セラピストの相互作用を測定し,データレジストリに登録されている既存のマルチモーダルデータについて、使用許諾を得て活用し解析を行うことによって、本研究における解析方法立案の手がかりとする、3)コミュニケーション場面における視線、fNIRS、音声のデータ収集・データクリーニング方法を検討するために、各指標別に、感情喚起場面やコミュニケーション場面を設定した実験を予備的に行う、4)研究計画の具体化と倫理委員会への申請を行う。 これらのうち、先行研究のレビューについては当初予定の1編ではなく2編の作成が行われ、1編は学術誌に投稿できた。学会でのシンポジウム企画も行った。また、既存のマルチモーダルデータについて、研究チームのメンバーが解析実施可能な準備を整えることができた。2024年度の実験実施に向け、機材の購入や予備的なデータ収集も実施できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、順調に進捗している。特に、当初の計画以上にレビュー作業が進捗したことと、既存の心理療法に関するデータレジストリのデータ活用に際する準備(倫理委員会への申請等)が十分に行えたためこの判断とした。2024年度はレジストリデータの解析と、新たに実施する実験準備が可能になると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
以下の通り進める予定である。 1)マルチモーダル・センシングデータを用いた心理療法(二者間同期)の先行研究についてレビューを行い、学術雑誌に投稿する 2)当研究プロジェクトの成果を報告し、関連する研究を実施している研究者との意見交換を行うため、学会でシンポジウムを企画する 3)レジストリデータ(心理療法時の二者センシングデータ)を用いて、モノモーダルなデータ解析、ついでマルチモーダルなデータ解析を行い、学会発表や論文投稿を行う 4)実験を行い、セラピスト―クライエントの二者センシングデータを取得し、データ解析を行い、学会発表や論文投稿を行う。
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