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2023 年度 実績報告書

特異点と整数論の相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 23H01070
配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

安田 健彦  大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (30507166)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
キーワードF爆発 / 非可換特異点解消 / 高次Jacobiイデアル / Manin予想
研究実績の概要

2023年度に4本のプレプリントをarXivで公開した。いずれも国際共同研究である。1本目はChavez-Martinez氏とDuarte氏との共同研究で、F爆発と本質因子の関係を論じ、トーリック多様体のF爆発に本質因子が現れる十分条件を示した。
2本目はLiedtke氏との共同研究で、正標数における線形簡約商特異点の非可換特異点解消について論じた。正標数には、標数零には存在しない群スキームによる商特異点というものがある。非可換特異点解消などに関する標数零で知られている結果を、このような商特異点に対し証明した。
3本目はLe氏との共同研究で、高次Jacobiイデアルとモティヴィック・ゼータ関数について論じた。高次Jacobiイデアルを用いて定義される不変量が、contact同値で不変なことを示すなどした。
4本目はDarda氏との共同研究で、トーリック・スタックに対するManin予想を証明した。前年度に同じくDarda氏と共同で行った研究において、Deligne-Mumfordスタックに対しBatyrev-Manin予想を定式化し、代数多様体に対するBatyrev-Manin予想とMalle予想を統一する予想を提出していた。今回の結果は、この予想を特別な場合に検証した物である。
また、2023年度中に7回の口頭発表を行った。このうち3回は、国際研究集会での講演である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

例年より多い4本のプレプリントを公開できたので、計画以上の進展と言うことができる。並行して行っていた複数の共同研究が順調に進展し、論文をまとめることができた。また、得られた研究成果を多くの研究集会等で発表することができた。その機会に、多くの研究者と議論することで、今後の研究に有益な情報を収集することができた。

今後の研究の推進方策

研究期間中に複数の研究テーマを並行して進めていく予定である。各時点において、どのテーマの進展が見込まれるか、共同研究者のスケジュールなどに応じて、注力するテーマを適切に選びながら、全体として出来るだけ多くの成果を得られることを目指す。
一つ目のテーマは、野性McKay対応のさらなる一般化と、それに関連したArtinスタック上へのモチーフ積分理論の構築である。等標数の有限群作用に関する野性McKay対応や、それに対応するDeligne-Mumfordスタック上のモチーフ積分理論は、研究代表者のこれまでの研究により一般論が構築されている。この方向の研究では、研究室の大学院生に、研究協力者として中心的な役割をになってもらう計画である。
二つ目のテーマはBatyrev-Manin予想とMalle予想に代表される数論統計の分野に、研究代表者による野性McKay対応などの研究で得られた幾何学的知見を応用するというものである。この方向の研究は、主にDarda氏との共同研究として進める計画である。幾何学的な知見から、正標数の野性的な状況に置けるMalle型の予想を定式化し、検証することを目指す。
前述の二つのテーマ以外に、高次Nash爆発やF爆発と本質的因子の関連を調べる研究をChavez-Martinez氏、Durate氏との共同研究において進める予定だ。また、研究室の大学院生にも研究協力者として、この方向の研究を実施してもらうことを計画している。Carvajal-Rojas氏と行っている、弦不変量を用いてログ端末特異点の局所エタール基本群の有限性を示す共同研究も進めて行きたい。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 6件)

  • [国際共同研究] バーゼル大学(スイス)

    • 国名
      スイス
    • 外国機関名
      バーゼル大学
  • [国際共同研究] UACJ/UNAM(メキシコ)

    • 国名
      メキシコ
    • 外国機関名
      UACJ/UNAM
  • [国際共同研究] Vietnam National University, Hanoi(ベトナム)

    • 国名
      ベトナム
    • 外国機関名
      Vietnam National University, Hanoi
  • [国際共同研究] ミュンヘン工科大学(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      ミュンヘン工科大学
  • [学会発表] F-blowups of quotient singularities and toric singularities2023

    • 著者名/発表者名
      Takehiko Yasuda
    • 学会等名
      McKay correspondence, Tilting theory and related topics
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Orbifold pseudo-effective cones2023

    • 著者名/発表者名
      Takehiko Yasuda
    • 学会等名
      Algebraic Geometry in East Asia 2023
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] F-blowups and essential divisors2023

    • 著者名/発表者名
      Takehiko Yasuda
    • 学会等名
      城崎代数幾何学シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] F-blowups of quotient singularities and toric singularities2023

    • 著者名/発表者名
      Takehiko Yasuda
    • 学会等名
      大阪大学代数幾何学セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] F-blowups and essential divisors2023

    • 著者名/発表者名
      Takehiko Yasuda
    • 学会等名
      Topology of Singularities and Related Topics
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] F-blowups and essential divisors2023

    • 著者名/発表者名
      Takehiko Yasuda
    • 学会等名
      名古屋大学代数幾何セミナー
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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