研究課題/領域番号 |
23H01105
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
大饗 千彰 電気通信大学, 量子科学研究センター, 准教授 (80787664)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 真空紫外 / 水素原子 |
研究実績の概要 |
非線形光学過程はその過程に関係する光の位相関係に強く依存する。媒質中の任意の相互作用長において、この位相関係を任意に制御することで、非線形光学過程自体の進行方向を自在に操作できる。本研究では、パラ水素によるラマン共鳴4波混合過程において、媒質中に発生する他波長の光の位相関係を任意に制御する機構を組み込むことで、真空紫外100-200 nmで波長可変な単一周波数レーザーを実現する。 研究代表者はこれまで、ラマン共鳴4波混合過程で発生する多波長の光のうちの特定次数を選択して発生可能であることを実証してきた。本年度はここに、ポンプレーザーの高品質化、遺伝的アルゴリズムによる位相操作量の最適化などの改善を行うことで、さらに高い効率で選択発生が可能であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、ラマン共鳴4波混合過程で発生する多波長の光のうちの特定次数を選択して発生する技術基盤の構築する研究を進めた。特定次数の高効率な発生技術は、真空紫外レーザー発生の基盤となる技術であり、真空紫外100-200 nmで波長可変な単一周波数レーザーを発生させるうえで、本年度の成果は重要な一歩である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に得られた高効率な選択発生の技術に加えて、より高い強度のポンプレーザーを用いることで、100%に近い選択発生効率を目指す。さらに、ここで、確立した高効率な発生の手法を真空紫外光の発生に適用することで、真空紫外域において実用的な波長可変・単一周波数レーザーを発生させることを目指す。
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