研究課題/領域番号 |
23H01184
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
石野 宏和 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (90323782)
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研究分担者 |
山森 弘毅 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究部門付 (00358293)
Stever Samantha 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 助教 (20842991)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 超伝導検出器 / ニュートリノ / レーザー微細加工 |
研究実績の概要 |
申請者が独自に設計した超伝導検出器(KID)にインジウム標的を付け、太陽ニュートリノを検出することが最終目的である。今年度は、KIDの基本的な性能を確認するための研究を主に行った。 太陽ニュートリノの反応は稀にしか起こらないため、環境放射線による影響を理解する必要がある。一つの懸念は、KIDを形成しているシリコン基板からの非熱的フォノンの信号によるバックグラウンドである。今年度は、これまでの申請者らが実績を有するLumped element KIDを用いて、基板からの非熱的フォノンの抑制を試みた。非熱的フォノンは、低いTcを持つ超伝導体あるいは通常金属の塗布により、抑制できると考えられる。これは、非熱的フォノンが金属中の電子を散乱し、消滅するからだと考えられる。それを検証するために、産総研のQufabでLEKIDを作製し、フランスのパリサクレ―大学とQUPの希釈冷凍機をお借りすることにより、検証を試みた。LEKIDとして、Nbで作製したものについては、微弱な放射線を照射することにより、信号をとらえることができたが、信号頻度を考えると、Nbに直接照射された放射線によるものであることがわかった。そこで、より感度が高いAl製のLEKIDを作製し、評価したところ、共振ピークがうまく見えないことがわかった。いろいろと調べたところ、リソグラフィー過程での不備が指摘された。現在改善中で、次年度初めには新しい素子が完成予定である。 同時並行で、KIDの読み出しの周波数領域多重化度を増やすために、FPGAキットを購入し、その動作確認およびコードの開発を行っている。 基板からの非熱的フォノンの研究進捗状況を、韓国で開催された国際会議でポスター発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度にKIDを評価する手法を確立し、またKIDの作製についても改良が見られた。KIDの周波数多重読み出し回路の開発にも着手している。以上より、おおむね順調であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
Al製のKIDの性能評価を試みる。基板からの非熱的フォノン、およびインジウム標的からの非熱的フォノンの検出を2024年度中に試みる。作製・評価手法は初年度で既に確立されたので、今年度は素子の作製の改善と評価によるデータ解析に注力する。同時にFPGAを用いた読み出し回路の開発を実施する。
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