研究課題/領域番号 |
23H01248
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
郭 新宇 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (10322273)
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研究分担者 |
兼田 淳史 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 教授 (70304649)
森本 昭彦 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (80301323)
宮澤 泰正 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(アプリケーションラボ), ラボ所長代理 (90399577)
木戸 晶一郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(アプリケーションラボ), 研究員 (40878394)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 若狭湾 / 豊後水道 / 対馬暖流 / 黒潮 / 係留観測 / 数値モデル / 栄養塩輸送 / ADCP |
研究実績の概要 |
2024年度に若狭湾の水深150mの海底上に超音波多層流速計を係留するため、係留機器の構成を検討し、係留装置の作成手順と係留機器の動作確認を行った。さらに、係留作業を行う福井県水産試験場の調査船福井丸を訪問し、具体的な作業手順について福井丸の関係者と協議を行った。また、観測を実施するには漁業者への説明と調整が必要不可欠であるため、観測予定海域で底曳網漁や刺し網漁などをしている6地域の漁業協同組合を巡回して説明を行った。漁業者から観測に対するコメントや要望をうかがい、係留期間や係留方法等の調整を行うことで係留観測実施の許可を得ることができた。 モデリングにおいて、MPI並列化した北西太平洋低解像度モデル(1/12度)を開発し、風応力の強度に関する感度を調査して最適な強度を決定した。その入れ子となる1/36度モデルについては、側面境界条件の時間方向の補間を導入することで、ノイズの混入を縮減させた。データ同化については、衛星海面高度データの種類が7機まで増加したことを考慮し、1日毎の解析に用いるデータの期間を前後5日から前後2日に短縮することで数日で短期変動する沿岸付近の渦の表現を改善した。また、亜熱帯海域において観測データに比べて渦の強度が弱すぎることを確認し、亜熱帯海域における渦の空間スケールを400-300kmから150-100kmまで減少させることで渦の強度の再現性を改善した。三陸沖で北上する黒潮続流の再現性を改善させるため、同化する海面高度振幅の絶対値制限値を1mから1.5mまで緩めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
若狭湾の海底設置型超音波式流速計の設置について漁協との調整を終え、次年度に実施可能の見通しが立てた。
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今後の研究の推進方策 |
現場観測(係留観測):2024年度の係留観測は若狭湾で実施する。また、2025年度に実施する予定の豊後水道における係留観測について、今年度に準備を開始する。 数値モデルの構築:2024年度に高解像度モデル(1/120度:約1km)を構築し、パラメーターのチューニングを行う。また、若狭湾を対象とする低次生態系モデルを構築する。2025年度に瀬戸内海と黒潮流域を対象とする低次生態系モデルを構築する。
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