研究課題/領域番号 |
23H01253
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加納 靖之 東京大学, 地震研究所, 准教授 (30447940)
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研究分担者 |
岩橋 清美 國學院大學, 文学部, 教授 (50749653)
大邑 潤三 東京大学, 地震研究所, 助教 (40809381)
北井 礼三郎 立命館大学, 法学部, 非常勤講師 (40169850)
玉澤 春史 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 客員研究員 (90829441)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 歴史地震 / 地震活動 / 京都 / 近世 / 寺社史料 / 日記史料 |
研究実績の概要 |
京都周辺の過去の地震活動とその背景となった場(例えば南海トラフ巨大地震の発生とその内陸への影響)はどのようなものか、という問いに答えるという本研究の目的を達成するため、京都周辺における過去400年間の有感地震の発生状況を、京都に古くから存在する寺社史料の詳細な分析から整理した。 (1) 賀茂別雷神社(上賀茂神社)文書の「社記」等の撮影を実施した。本年度は、明和九年二月から十一月、弘化二年三月から弘化四年十二月、慶応二年正月から明治五年正月の「社記」合計76点のほか造営関係の史料28点も撮影した。 (2) 撮影した賀茂別雷神社文書の「社記」を解読した。特に文政十三年(天保元年)七月二日(1830年8月19日)に発生した文政京都地震に注目し、同年七月から九月の「社記」全文を解読した。また、文政十三年から天保十一年と嘉永元年の合計12年分の「社記」から天気付を抜粋、解読し表にまとめた。 (3) 賀茂別雷神社以外の既存の史料について、地震史料集テキストデータベースを活用して再分析した。また、「みんなで翻刻」の「賀茂社関係文書翻刻プロジェクト」に登録された国立国会図書館所蔵の『賀茂社記録』のうち、社家の日記から地震の記事を抽出した。これまで知られていなかった地震を3つ発見した。 (4) 上記(1)から(3)により得た史料データを一覧表やGISデータとしてまとるための作業手順や項目を検討した。 このような史料から得られる情報から有感地震の頻度や震央分布などを推定し、機器による観測のない期間の地震活動を明らかにすることができる。さらに現在の観測データと組み合わせ、最新の地震統計モデルに基づいて比較分析することにより、将来の地震発生予測あるいは被害予測に寄与する。さらに、文理融合研究の強みを活かし、賀茂別雷神社文書にも記録される天文記事についても検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
史料の撮影および解読が順調に進んだため。定期的に研究分担者・研究協力者とのオンライン会議で進捗状況の把握や情報交換を実施したことが順調な進捗につながった。また、研究代表者が運営に関わっている「みんなで翻刻」の「賀茂社関係文書翻刻プロジェクト」に登録された『賀茂社記録』を分析することにより、これまで知られていなかった地震記事を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
定期的に研究分担者・研究協力者とのオンライン会議を開催し、地震などの自然科学の研究者と歴史研究者による文理融合チームによる総合研究を進める。また、史料の内容の理解を深めるために、現地での研究打ち合わせを実施する予定である。地震史料集テキストデータベースを活用し、『新収日本地震史料』などの地震史料集からも小地震までを含めた京都の地震記事の抽出を進める。同データベースに収録されていない地震記事についても収集する。大学の附属図書館あるいは公共図書館に収蔵されている既刊の寺社日記を活用するほか、各寺社に所蔵されている日記についての情報収集を進め、調査を実施する。
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