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2023 年度 実績報告書

太陽系小天体におけるアミノ酸・糖・核酸塩基の形成

研究課題

研究課題/領域番号 23H01286
配分区分補助金
研究機関東京工業大学

研究代表者

癸生川 陽子  東京工業大学, 理学院, 准教授 (70725374)

研究分担者 小林 憲正  横浜国立大学, 大学院工学研究院, 名誉教授 (20183808)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード隕石母天体 / 水熱変成 / 糖類
研究実績の概要

地球生命の誕生に至る化学進化において,生命を形作る原材料となるアミノ酸,糖,核酸塩基などの形成は不可欠である。これらの分子は炭素質隕石からも見つかっており,地球外起源の可能性も考えられる。炭素質隕石に含まれるアミノ酸などの形成場所の一つとして,母天体である小天体内における水熱過程が挙げられる。小天体は地球到達前の有機物の最終進化の場として重要であるにもかかわらず,このような水熱過程での有機物形成の実験的研究は不足している。特に,(1)アミノ酸に比べ糖や核酸塩基の形成については明らかになっていない,(2)小天体の水熱反応前の出発物質が不明瞭,(3) 低温・長期間での反応の評価,といった点に課題が残る。そこで本研究では,小天体における前生物的なアミノ酸・糖・核酸塩基の形成の統一的理解を目的とし,出発物質・加熱条件を系統的に変化させた実験から,アミノ酸,糖,核酸塩基の形成について反応速度論を用いて評価する。
本年度は特に,ホルムアルデヒド,アンモニア,メタノールを含む水溶液にカンラン石粉末を加え,加熱実験を行った。実験生成物は誘導体化した後,GC/MS分析を行い,単糖の定量した。水溶液にカンラン石を加えない場合も同様の実験を行い比較検証した。実験の結果,オリビン存在下では単糖の生成量が増加する傾向が見られた。カンラン石のみを同様に加熱した実験からは単糖は検出されなかったことから,オリビンによるコンタミネーションは最小であり,この変化はカンラン石が水溶液からの単糖生成を触媒した結果と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおよそ計画通りに進行している。

今後の研究の推進方策

カンラン石以外の鉱物(蛇紋石,サポナイト)を用いて同様の実験を行うとともに,核酸塩基の形成についても検証する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 小惑星を模擬した環境におけるガンマ線と加熱によるアミノ酸生成の検討2024

    • 著者名/発表者名
      今井 直希,癸生川 陽子,小林 憲正,依田 功
    • 学会等名
      第48回生命の起原および進化学会学術講演会
  • [学会発表] 小惑星を模擬した水熱過程でのアミノ酸生成の検討:反応時間と温度の影 響2023

    • 著者名/発表者名
      今井 直希、癸生川 陽子、小林 憲正
    • 学会等名
      JpGU2023
  • [学会発表] Effects of ammonia and olivine for formose-type monosaccharide formation during hydrothermal processes in meteorite parent bodies2023

    • 著者名/発表者名
      Taiyu Fujii, Yoko Kebukawa, Kensei Kobayashi
    • 学会等名
      JpGU2023

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公開日: 2024-12-25  

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