研究課題/領域番号 |
23H01295
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梅野 宜崇 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40314231)
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研究分担者 |
島 弘幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40312392)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 原子モデル解析 / 構造不安定モード / マルチフィジックス / ナノ力学 / 脆性延性遷移 |
研究実績の概要 |
現有の原子構造体不安定モード計算コード(研究室独自のハウスコード)に,反応力場関数・電場を表現するマルチフィジックス原子間ポテンシャル関数等の実装・統合を行った.逆誤差伝播法を用いた自動微分を駆使することで,原子間ポテンシャル関数の実装効率化と拡張性増強も行った.さらに,同コードのインターフェースと描画ルーチンを最適化することによって計算効率の大幅な増強に成功し(約10倍の計算高速化),不安定点近傍で急激に変化する構造不安定モードの追跡・モード自動探索による分岐マッピングを可能とした.特定の不安定モードを拘束することで通常の緩和計算で現れない変形経路探索を行うアルゴリズムを実装した.セリア・シリカ系の研磨およびき裂進展解析を行い,マルチフィジックス効果による変形・破壊モードへの影響を確認し,不安定モード解析による脆性延性遷移メカニズムの詳細検討に着手した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していた,構造不安定モード解析アルゴリズムの効率化と高度化を行うことができた.加えて,逆誤差伝播法を駆使することで将来的拡張性を拡大し,さらに描画アルゴリズムやインターフェースの最適化により計算効率や操作性の大幅な向上にも成功した.水を含むシリカ・セリア系の変形・き裂解析のテストにも成功した.以上のように,当初の研究計画を予定通り遂行できている.
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今後の研究の推進方策 |
ナノ結晶材の変形・破壊のモード解析:独自に構築した原子構造体不安定モード解析システムを用い,雰囲気中のナノ結晶材の変形・破壊モード解析を行う.同時に,解析結果から予想される理論式を都度暫定的に立てることで,解析すべき条件の設定を行う.対象とする材料は金属・セラミックス・酸化物とし,エッジ・ステップ・切欠き・き裂等を含むモデルを設定する.水蒸気雰囲気や外部電場等の環境下で外力負荷し,構造不安定挙動を解析する.ステップ方位や高さ等,形状に関するパラメータを変更して形状効果を調べる.さらに,モデルに欠陥(粒界,ボイド,包有物等)を導入して同様の解析を行い,構造不安定挙動に及ぼす影響を調べる. 化学機械研磨のモード解析:シリカ基板上に砥粒を配置し、砥粒を基板に押し付けながらスライドさせることで研磨過程を模擬した解析を行う.砥粒の種類を変更することで化学的環境の影響を調べる.砥粒の径や形状を変更して同様の解析を実施し,形状効果を調べる.また,モデルに欠陥(ボイド,包有物等)を導入して解析を行い,その影響を調べる. データ統合・欠陥導入による分岐マップ変調の解析と力学設計:得られた解析データを分析し,脆性-延性遷移メカニズムの定式化(理論式構築)を試みる.得られた理論式から,不安定モード遷移を起こすための条件を予測する.
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