研究課題/領域番号 |
23H01304
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高桑 脩 九州大学, 工学研究院, 准教授 (60633518)
|
研究分担者 |
平山 恭介 京都大学, 工学研究科, 助教 (70717743)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | X線CT / 水素脆化 / オーステナイト系ステンレス鋼 |
研究実績の概要 |
2023年度は放射光施設SPring-8のビームラインBL20XUにて投影型CT(マイクロCT)および結像型CT(ナノCT)によりFe-17Cr-7Ni合金,Fe-18Cr-8Ni合金の変形誘起マルテンサイト変態の撮像条件の最適化を行った。これにより,マイクロCTでは試料全体の相変態を分解能約3μm,ナノCTでは局所関心領域(直径60μm×高さ50μm程度)の相変態を分解能約180nmで3次元追跡できるようになった。母相オーステナイト相と変態により形成されたマルテンサイト相の識別を機械学習により実施し,高度なノイズ除去,画像の高精細化を実現した。 さらに,細く絞ったX線を試料を回転させながら関心領域に格子状にスキャンして回折スポットを収集(位置敏感型X線回折と呼称)することで,局所領域の結晶方位を解析でき,マルテンサイト相の生成挙動を結晶学的に解析した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マイクロCTとナノCTでの変形誘起マルテンサイト変態の3次元追跡を実施し,結晶学的解析も可能となったことから順調に進行しているといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は,構築した手法(結晶学的解析)の妥当性の検証する。また,フォーカスイオンビーム(FIB)にてき裂を導入した試料の撮像を行い,き裂先端局所場における変形誘起マルテンサイト変態の3次元検出を行う。これにより,靭性値と等価であるき裂先端開口量と先端部の変形誘起マルテンサイト変態挙動を関連付ける。 さらに,水素チャージした試料に対して変形を与えながらイメージング実験を実施し,水素誘起き裂の発挙動を解析する。
|