研究課題/領域番号 |
23H01367
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
朝間 淳一 静岡大学, 工学部, 准教授 (70447522)
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研究分担者 |
杉元 紘也 東京電機大学, 工学部, 准教授 (60613552)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ベアリングレスモータ / 磁気浮上 / モータ / パワーメカトロニクス |
研究実績の概要 |
2023年度は,半径方向2自由度制御方式の四相非対称アウターロータ形ベアリングレス永久磁石モータにて,歯と歯の間隔の一部を広くする不等歯ピッチコア構造を新たに設計した.非接触渦電流式変位センサをその拡張部分に埋め込むことで,従来,回転子の外側に設置した変位センサのスペースを省くことで,システム全体の小形化を図る.具体的には,12スロット10極の表面磁石形ベアリングレスモータに対して,0度と90度の位置にスペースのある2変位センサモデル,0度,120度,240度の位置にスペースのある3変位センサモデル,90度毎にスペースのある4変位センサモデルを検討した結果,零電流支持力脈動が最も小さい4変位センサモデルを選定した.選定モデルに対して,さらに四相(a,b,c,d相)非対称統合巻線の各相をどのように選択したらよいかを,トルクと支持力の観点から起磁力分布を基に検討し,試作モデルを設計した.具体的には,四相対称分割巻線モデルでのトルクと支持力を基準に,非対称にしても同等のトルクを維持しつつ,かつ磁気浮上が可能な十分な支持力を得るように,四相を選択した.次いで,テスト機を試作した.固定子コア外径は66mm,積厚は18mm,回転子は表面磁石形で積厚は14mmとした.固定子コアにコイルを施し,非磁性体リングのポケットに角形磁石を差し込んだ回転子を軟鉄バックヨークと嵌合し,4か所の歯の間に渦電流変位センサを設置し,テスト機を試作した.なお,変位センサのターゲットは回転子の非磁性体リング表面である.磁気浮上回転試験の結果,回転子は1000rpmまで磁気浮上回転に成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
半径方向2自由度制御方式の四相非対称アウターロータ形ベアリングレス永久磁石モータについては,4変位センサモデルの選定と,四相非対称統合巻線の選択,さらにはテスト機の試作と磁気浮上回転の成功などから,当初の計画通り,おおむね順調に進呈していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
半径方向2自由度制御方式の四相非対称アウターロータ形ベアリングレス永久磁石モータについては,制御パラメータおよび制御則を見直し,1万rpmまでの安定した磁気浮上回転を目指す.さらに,本コンセプトを,三相インバータ1台で駆動可能なラジアルギャップ単相ベアリングレスモータ,および統合巻線形アキシャルギャップベアリングレスモータに拡張し,設計,およびテスト機の試作,さらには性能評価を行う.
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