研究課題/領域番号 |
23H01372
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
望山 洋 筑波大学, システム情報系, 教授 (40303333)
|
研究分担者 |
安藤 潤人 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (50899797)
武居 直行 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (70324803)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | ソフトロボティクス / 力覚センシング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,フィジカル空間におけるタスク達成に関わる相互作用の力学情報を高精度かつリアルタイムで取得する頑健な力覚センサの開発である.本研究の課題は,1.センシング理論の構築,2.センサのプロトタイプ製作と実験検証システムの構築,3.応用展開の3つである. 課題1に関しては,本研究の独自性である,弾性ロッドの大変形を高速に計算する手法である【ロッド積分】の拡張に成功した.具体的には,ロッド剛性が極めて小さい場合でも,ロッド積分を計算するアルゴリズムを開発した.このアルゴリズムに関する特許を出願するとともに,国内会議で研究成果を公表した. 課題2に関しては,当初計画していた【ロッド積分】に基づく力覚センサではなく,頑丈なウレタンゴムを起歪体とし,機械学習を活用した6軸力覚センサのプロトタイプを製作した.また,当初の予定通り,この力覚センサの有効性を検証するための,ロボットマニピュレータを用いた実験系を構築した.この柔軟力覚センサでは,起歪体が大きく変形し,作用点の位置・姿勢も変化するため,力・モーメントの6軸情報に加えて,作用点の三次元位置・姿勢の6つの情報を推定する必要がある.これに対し,柔軟な起歪体に16枚のひずみゲージを張り付けた上で,Long Short Term Memory(LSTM)を用いた機械学習により,精度の高い6軸力覚推定を行うことに成功した. 課題3に関しては,ロボットマニピュレーションに注力して,ドーム状の柔軟力覚センサの形態に拘らずに,環境との相互作用を伴うタスクの実現の検討を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題3については,検討にとどまっているが,課題1に関しては,新たな研究成果を得て特許出願と国内会議発表を行い,また,課題2に関しては,精度の高い柔軟な6軸力覚センサのプロトタイプ製作と,実験検証システムの構築を行っている.以上のことから,本研究は,おおむね順調に進展していると判断される.
|
今後の研究の推進方策 |
RoDomeのセンシング理論の構築と,ロッド理論に基づくRoDomeの開発を推進するとともに,応用展開,特にロボットマニピュレーションに注力する.その際,ドーム形状の柔軟力覚センサという形態に限定せずに,フィジカル空間におけるタスク達成に関わる相互作用の力学情報を取得するという観点から,研究を推進する.
|