研究課題/領域番号 |
23H01382
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
梅津 信二郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70373032)
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研究分担者 |
廣瀬 佳代 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (40532221)
福田 憲二郎 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (40613766)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | スマートエレクトロニクスシート / 細胞組織 |
研究実績の概要 |
スマートエレクトロニクスシートは多数のマイクロ孔が設けられているので、心筋細胞組織の内部に設置しても心筋細胞組織の拍動を妨げずに、長期間に亘って細胞組織の生体情報を正確にモニタリング可能なので、組織の薬剤応答を把握でき、創薬研究を著しく前進させる画期的な技術である。しかし、十分に低侵襲性だと考えられるマイクロ孔の大きさ・密度・形状の検討は未だ行われておらず、基礎研究が十分ではなかった。申請者らは、この基礎研究を実施し、マイクロ孔を適切に設ける条件の調査を行った。マイクロ孔に関しては、作製に伴う条件出し、孔を設けた後の剥離工程時にエレクトロニクスシートに局所的な応力が作用する。この応力集中は、剥離時の損傷につながるため、孔の位置やサイズを調整する必要があった。また、剥離スピードによって、エレクトロニクスシートを綺麗に剥離できるかどうかが決まるが、これは手技に依存するため、単純な数値計算はあまり役に立たないため、実験を行い、調査した。 また、細胞内の条件を変えた際の数値解析を実施した。具体的には、2次元状組織、3次元状組織を対象とし、複数種類の細胞から構成される系を構築した。複数種類の細胞の位置の詳細を変えることを将来的に実施予定であるが、まずは全体の割合を一定としながらも、ランダム化した配置での計算を実施した。計算結果は、実際の臨床の現場での傾向と一致するものであった。このことから、実験結果を再現する計算モデルを構築できたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2年目、3年目に実施予定であった研究内容を1年目に実施でき、当該内容を誌上発表する見込みがある状況になっているため。
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今後の研究の推進方策 |
患者個人を対象とした新薬開発は、超高齢化社会にとって極めて重要である。これを実験のみで達成することは、資金的・時間的に不可能と言って良い。従って、様々な実験を通じて、精密な実験定数の測定を行い、数値計算に反映させることが重要である。申請者らのチームは、高精度な測定系を作製可能であり、今年度この実証をしている。また、得られた実験定数を数値計算に反映することで、実際の現象と定性的な傾向が同じ結果を数値計算でも得ている。この数値計算の精度をさらに上げることは、新薬開発に直接繋がることから、極めて重要性が高いので、数値計算の研究をさらに進める。
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