研究課題/領域番号 |
23H01394
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
小原 秀嶺 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50772787)
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研究分担者 |
藤本 康孝 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60313475)
河村 篤男 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 名誉教授 (80186139)
赤津 観 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (90361740)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | パワーエレクトロニクス / マルチレベルリニアアンプ / マルチレベルインバータ / 電磁ノイズ / 高効率 / モジュラーカスケードリニアアンプ(MCLA) / フライングキャパシタリニアアンプ(FCLA) / ダイオードクランプリニアアンプ(DCLA) |
研究実績の概要 |
2023年度は、マルチレベルリニアアンプ(MLLA)の中でも特に、現時点で効率を高くするために必要なパワーデバイス数が最も少なくて済むモジュラーカスケードリニアアンプ(MCLA)について検討を深めた。これまでの研究で、変調率や負荷力率、セル数(素子数)に対する効率特性を明らかにしているが、セル数を増やした場合の動作モード選択やキャパシタ電圧バランス制御に規則性を見いだせておらず、これまで3セル回路までの動作実証に止まっていた。そこで、4セル以上にセル数を増やすことを想定して動作モードの詳細な解析を行い、セル数に対する動作モードの規則性を明らかにした。その知見を用いて、4セルMCLAのシミュレーションモデルを構築し、各セルのキャパシタ電圧バランス制御を意図した通りに実現することができた。以上より、MCLAのセル数に対する制御の一般化の理論が構築できた。 マルチレベルリニアアンプの各方式を比較すると、同じパワーデバイス数であっても回路構成により使用できる動作モードの数が異なり、その動作モード数が多いほど回路全体として線形動作の損失が低減でき、高効率化が可能という知見が得られた。すなわち、マルチレベルリニアアンプの高効率化と動作モード数には相関があり、素子数だけでなく動作モード数で効率を一般化して議論できる可能性があることが分かった。来年度は、この視点も念頭に置き、マルチレベルリニアアンプのさらなる技術体系化を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に沿って、マルチレベルリニアアンプの技術体系化に向けて検討が進んでいる。特に、現時点で最も高効率化に優位性のあるモジュラーカスケードリニアアンプ(MCLA)のセル数一般化の見通しが立っており、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までの研究により、マルチレベルリニアアンプの基本回路方式について制御手法を一般化し、規則性を用いることで制御実装を極力複雑化することなくセル数を任意に増やすことが出来るようになった。今後は、これまでの知見を利用して、キャパシタ電圧不均一化および多相化による高効率化についてさらなる検討、整理を進める。また、実証として、モジュラーカスケードリニアアンプ(MCLA)の4セル以上の回路を試作し、ノイズフリーで効率90%以上の実現を目指す。
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