研究課題/領域番号 |
23H01409
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
實松 豊 東京工業大学, 工学院, 准教授 (60336063)
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研究分担者 |
大橋 正良 福岡大学, 工学部, 教授 (50500154)
櫻井 幸一 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (60264066)
牟田 修 九州大学, 日本エジプト科学技術連携センター, 准教授 (80336065)
森 慎太郎 福岡大学, 工学部, 助教 (90734913)
篠原 克寿 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (50740429)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 二重選択性フェージング / レーダー / ドップラー周波数 |
研究実績の概要 |
従来のレーダ方式は、チャープ信号、パルス圧縮方式、LFM (Linear Frequency Modulation) 方式など、多種多様な方式が存在しているが、これらをそのまま使って通信を行うことには様々な問題があり、通信とセンシングを同時に解決する新方式が望まれている。本研究では、通信とセンシング(レーダ)の融合を行うための最も基礎的な研究テーマを、ドップラーシフトの発生する環境下での信号同期確立手法を開発することと捉えている。本研究では工学的応用を意識しつつ、より数学に近い理論構築を目指している。なかでも、フーリエ変換における遅延演算とドップラー演算の対称性およびこれらの演算の順序の非可換性に着目している。 今年度の実績としては、送信信号に対し設計基準を与えた。従来の我々の提案では、送信信号はプロトタイプであるガウス波形を時間と周波数を等間隔にずらした N × M の波形にプラスマイナス1をランダムに乗算して足し合わせることとしていた。送信信号がデータ信号である場合は、送信シンボルが不明であるため、このような仮定は現実に即している。一方、パイロット信号が使用できる場合は、プラスマイナス1の部分を適切に選択する必要があった。本年度は、遅延とドップラー周波数の検出を容易にするため、ambiguity関数の原点(ピーク)の周囲が2次元 sinc 関数で十分高い精度で近似できることを設計の基準とした。数値実験により精度が大幅に向上することを示した。この結果を、国内研究会で公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
結果の概要に示したように、数値シミュレーションの結果は良好である。また、本研究課題のテーマを含む、数学の力をつかった次世代通信をテーマとした研究課題を九州大学マスフォアインダストリ研究所の共同利用に申請し、2024年度開催のテーマとして採択された。数学の専門家との意見交換を通して研究が進展することが大いに期待できる。このように研究は順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に信号の設計法の方針を提示した。令和6年度は、これに基づき設定パラメータに具体的な値を入れたシミュレーションを行う。また既存手法との性能比較を数多く行い、提案法の優位性を示すとともに、国際会議に論文を投稿する。令和6年度九州大学マスフォアインダストリ研究所の共同利用「情報通信の技術革新のための基礎数理(研究代表者實松豊)」は、通信工学のための数学理論構築を目指しており、本研究課題と関連が深い。この共同利用の活動を通して、通信とセンシングの数理のための数学理論構築を推進する。本研究課題の理論的側面としては、研究計画に沿ってMIMOアンテナへの拡張を検討する。同時に研究分担者と協力しソフトウェア無線の実験環境の準備を進める。
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