研究実績の概要 |
サイバーフィジカルシステムにおいて,物理的な制約条件のもとでデータから機械学習モデルを導出することは本質的な問題である.この問題に対して,数理的に等価な最適制御問題を導出し,その必要条件を書き下すことによって,機械学習モデルの性質を議論することが可能となる.これにより,機械学習モデルの物理的な説明可能性を高めることも可能である.また,最適制御問題の数値解法を活用することにより,高精度かつ高速に最適解(すなわち機械学習モデルのパラメータ)を求めることが可能となる.
以上の研究目的に沿って,本年度は以下の研究実績を得た.まず,スパースモデリング等スパース性を活用した機械学習モデルに応用可能なスパース最適制御問題に対して,その必要条件や解の存在性,また高精度な数値計算アルゴリズムを導出した [M. Nagahara, International Journal of Robust and Nonlinear Control, 2023].また確率的な変動を考慮したスパース最適制御についても研究成果を得た [M. Kishida and M. Nagahara, IEEE Transactions on Automatic Control, 2023].また,スパースモデリングやスパース最適制御に関するサーベイ論文も発表した[M. Nagahara, IEICE Transactions on Communications, 2023][M. Nagahara and Y. Yamamoto, Mathematics of Control, Signals, and Systems, 2024]
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