研究課題/領域番号 |
23H01452
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
土井 正晶 東北学院大学, 工学部, 教授 (10237167)
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研究分担者 |
嶋 敏之 東北学院大学, 工学部, 教授 (50261508)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | MnFeGa薄膜 / 飽和磁化 / 結晶磁気異方性 / 磁気相転移 |
研究実績の概要 |
本研究開発は高機能性が期待される新規Mn-Fe系高キュリー温度(Tc>700 K)・高飽和磁束密度(Bs>1.4 T)・高磁気異方性(Ku>3 MJ/m3)磁性材料の創製の可能性についてフェリ磁性からフェロ磁性への磁気相転移を起点として格子歪および価電子数制御の観点から検討し、従来型の硬質強磁性体を遥かに凌駕する、あるいは高機能性が期待できる革新的次世代磁性材料を開発することを目的とした技術テーマである。本年度は主にFeMnGa系高飽和磁化バルク合金の作製と磁気特性について検討した。その結果、高温下(850 ℃)の熱処理温度でfcc構造を有するFe2MnGax (x = 0.5 ~ 1.5) バルク合金について、Bs~1.2 Tの最大の飽和磁化を示すことを明らかにした。また、850℃の熱処理によってその結晶の非対称性から高磁気異方性が期待できるL12型の強磁性Fe2MnGa1.1規則合金の作製に成功し、その飽和磁化は室温においてBs~1.2 T、キューリー温度Tc = 454℃であることを明らかにした。x = 0.9から1.0の僅かなGaの組成変化(格子定数0.26 %の変化)でフェリ/フェロ磁気相転移が示された。また、強磁性 Fe2MnGa1.1合金に軽元素(B,C)を添加した時の磁気特性の変化を調べた。熱処理温度Ta = 850℃で24時間熱処理を行ったFe2MnGa1.1Bx(Cx) (x = 0.0~1.5)合金においてx ≦ 1.0ではfcc構造の中心位置にC,Bが侵入すると考えられ、両系共に格子定数は増加傾向にあることを明らかにした。又、両系共に飽和磁化は一旦増加した後に減少する傾向が認められ、最大飽和磁化はBs~1.3 Tであった。保磁力についても一旦増加した後に減少する傾向が認められた。高結晶磁気異方性化が期待できる正方晶化が今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MgO(a=0.421nm)およびバッファー層上に単原子積層法により層厚の異なるL12型Fe2MnGax薄膜エピタキシャル薄膜を作製し、高結晶磁気異方性化が期待できる正方晶化には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
MgO(a=0.421nm)およびバッファー層上に単原子積層法により層厚の異なるL12型Fe2MnGax薄膜エピタキシャル薄膜を作製し、高結晶磁気異方性化が期待できる正方晶化に展開する。
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