• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2024 年度 実施状況報告書

円形造波水槽による沿岸漂砂の生成機構及びカスプ地形の発達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K26204
配分区分基金
研究機関名古屋大学

研究代表者

水谷 法美  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10209760)

研究分担者 中村 友昭  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90569328)
趙 容桓  名古屋大学, 工学研究科, 特任講師 (00761082)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2026-03-31
キーワード円形造波水槽 / らせん波 / 沿岸漂砂 / 沿岸流 / OpenFOAM
研究実績の概要

沿岸漂砂の阻害が海岸侵食に与える影響は顕著であるが,沿岸漂砂を含む波浪場の動態には解明されていない点が多い.本研究は,沿岸流がもたらす平面海浜地形の変化を解明するため,海浜端部のない連続的な漂砂環境を形成することが可能な円形水槽を利用した実験とそれを再現する数値計算モデルを構築した.らせん波を使用した実験により,地形変化が沿岸方向に周期性を持ち,その周期性が波の条件に依存することが確認された.数値計算では,円筒形メッシュの問題を解決し,移動メッシュ法を用いた新たならせん波造波方法を提案した.この計算結果により,岸向き流れと戻り流れの相互作用が重要であり,これが沿岸成分の流速を生み出し,結果として沿岸流の発達を促進することを示した.
また、本年度は、昨年度に本研究で導入した新型の連結造波板式造波装置と従来の使用してきた自作の造波装置を比較して,新造波装置の有効性とらせん波の波高が沿岸漂砂と地形変化に及ぼす影響を検討するための水理実験も実施した.新造波装置の導入により,発生波の波高の安定し、より精緻な実験が可能となるとともに,従来不可能であった入射波高と入射波周期を独立して調整可能となり、より実験条件の設定に自由度が高くなった.本装置を使用した実験により、波高が大きい場合,侵食と堆積が相互に現れる傾向が顕著現れることが観察され,強い沿岸流の促進と斜めに入射する波の合成による長周期波成分が起因していることが示唆された.これに対し,波高が小さい場合,地形変化が比較的穏やかであり,汀線近くの沖側で発生する沿岸流が地形変化を引き起こす可能性が判明した.これらの結果より,入射波高が沿岸漂砂と地形変化に重要な役割を果たしていることが示された.

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要に記述したように、本研究課題では新型の連結造波板式造波装置を導入し(前年度)、発生波の検証により安定した造波が可能であることを確認した。そして、従来使用してきた自作の造波装置で不可能であった入射波高と入射波周期を独立して制御が可能となった。これにより実験条件の設定に自由度が高くなった.特にカスプ地形の生成には波の周期が重要であることが想定され、周期を固定した状態での波高の変化が実験により朗かとなった。具体的には、波高が大きい場合,侵食と堆積が相互に現れる傾向が顕著現れることが観察され,強い沿岸流の促進と斜めに入射する波の合成による長周期波成分が起因していることが示唆された.これに対し,波高が小さい場合,地形変化が比較的穏やかであり,汀線近くの沖側で発生する沿岸流が地形変化を引き起こす可能性が判明した.これらの結果より,入射波高が沿岸漂砂と地形変化に重要な役割を果たしていることが示された.また、OpenFOAMに多孔質媒体の流動場の解析が可能なソルバーを使った解析により円形水槽にも適用可能な数値計算手法も構築し、これらの流動場の解析も可能とした。次のステップとして沿岸漂砂による地形変化の詳細なメカニズムの解明とビーチカスプ形成メカニズム解明に大きく前進した。

今後の研究の推進方策

本研究課題は2025年度が最終年度で、当該年度の課題である沿岸漂砂による地形変化の詳細なメカニズムの解明とビーチカスプ形成メカニズム解明を行う。沿岸漂砂そのものについては、これまでの成果によりその生成機構については解明の目処がたった。次のステップとしてその外力となる沿岸流の生成機構に及ぼす汀線近傍の波動場、特にwave-setup、wave-setdownとの関係を定量的に示すこと、また、斜め入射による遡上波のrun-downまでの周期と入射波周期の関係とビーチカスプの生成との関係性を明らかにすることでカスプ地形生成の機構の解明を行う。

次年度使用額が生じた理由

消耗品等再利用できるものは再利用し、人件費も事前指導などによる効率化により当初予定より削減した。また大学業務により予定した研究の一部が学会参加できなかったことなどにより当初の全予算の執行にはならなかったが、最終年度は当初予定より実験・数値計算のケースを増やすなどより多くのデータ収集を行うと共に現地観測の回数も増やす予定をしている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2025 2024

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 円形水槽を用いた沿岸漂砂によ る地形変化の周期性の解明と数値モデルの提案2024

    • 著者名/発表者名
      趙 容桓,本杉 漣,中村友昭,水谷法美
    • 雑誌名

      土木学会論文集特集号(海岸工 学)

      巻: 80 ページ: 1-7

    • DOI

      10.2208/jscejj.24-17143

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 連結造波板式造波装置を用いた沿岸漂砂に及ぼす波高の影響に関する検討2024

    • 著者名/発表者名
      趙 容桓,木村友哉,中村友昭,水谷法美
    • 雑誌名

      土木学会論文集特集号(海洋開発)

      巻: 80 ページ: 1-7

    • DOI

      10.2208/jscejj.24-18190

    • 査読あり
  • [学会発表] 連結造波板式造波装置によるらせん波特性と理論値との比較2025

    • 著者名/発表者名
      高井 収
    • 学会等名
      令和6年度土木学会中部支部研究発表会

URL: 

公開日: 2025-12-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi