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2023 年度 実績報告書

セルフライニング水路の流砂機構および土砂バイパストンネルの摩耗対策への適用性検討

研究課題

研究課題/領域番号 23H01511
配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

角 哲也  京都大学, 防災研究所, 教授 (40311732)

研究分担者 山上 路生  京都大学, 防災研究所, 教授 (80362458)
小柴 孝太  京都大学, 防災研究所, 助教 (80883157)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード流砂 / 摩耗 / 土砂バイパストンネル / セルフライニング / ダム堆砂
研究実績の概要

課題1.清水実験における桟粗度の乱流構造、粗度特性(基礎実験)(山上,小柴)
フルード数が大きい流れでは,桟粗度に対して被り水深が小さくなり,水面変形が大きくなる.このような流れ場では標準的な水面PIVを適用できず、水面流速や乱流特性の計測が困難である.そこで、複数のレーザービームを併用した新しい撮影システムを開発した.このシステムでは局所的な水面勾配と傾いた水面上の流速や渦度を計測することができる.まず水槽で水深を系統変化させてキャリブレーションを行った.さらに40cm幅の実験開水路において単一桟粗度場を作成し性能検証を行った.粗度背後に生じる波状の水面形とその領域における水面の乱流構造を計測した.水面形はポイントゲージによる実測と良好に一致した.次年度以降ではこの手法を用いて,底面起因の乱流が水面に及ぼす影響を明らかにする.

課題2.移動床実験における土砂捕捉・流動特性(基礎実験) (山上,小柴)
20cm幅の可変勾配水路に一定間隔で桟粗度を設置して移動床実験を行った.上流より砂粒を模したガラスビーズを投入し,桟粗度間の堆積特性を調べた.桟粗度間隔が小さく、フルード数が小さいほど、セルフライニング状態となりやすいことがわかった.フルード数が約3~4の条件では、桟粗度高さに対する桟粗度間隔が5程度あればセルフライニングされる.鉛直面にレーザーライトシートを照射して高速カメラで撮影しPIV計測を行った.桟粗度間隔が10程度では,桟粗度間の中ほどに非堆積領域が現れセルフライニングされない.PIVの結果から桟粗度背後に生じる潜り流によって底面付近のガラスビーズの掃流・浮遊が促進されることが示唆された.このようにR5年度では、移動床水理実験とPIVによる流速計測を行い,両者を比較した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

課題1.清水実験における桟粗度の乱流構造、粗度特性(基礎実験)については,20cm幅の可変勾配水路に一定間隔で桟粗度を設置して基礎的な水路実験を開始し,さまざまなフルード数による桟粗度が与える基本特性,特に,粗度背後に生じる波状の水面形とその領域における水面の乱流構造を計測することに成功しており,順調に成果が得られている.

課題2.移動床実験における土砂捕捉・流動特性(基礎実験)については,課題1と同様の水路に一定間隔で桟粗度を設置して移動床実験を行い,桟粗度間の堆積特性を調べた.その結果,桟粗度間隔が小さく、フルード数が小さいほど、セルフライニング状態となりやすく,フルード数が約3~4の条件では、桟粗度高さに対する桟粗度間隔が5程度あればセルフライニングされる一方で,桟粗度間隔が10程度では,桟粗度間の中ほどに非堆積領域が現れセルフライニングされないことを明らかにした.PIVの結果からは,桟粗度背後に生じる潜り流によって底面付近のガラスビーズの掃流・浮遊が促進されることが示唆され,順調に成果が得られている.

今後の研究の推進方策

課題1.清水実験における桟粗度の乱流構造、粗度特性(基礎実験)については,20cm幅の可変勾配水路に一定間隔で桟粗度を設置して基礎的な水路実験を開始し,さまざまなフルード数による桟粗度が与える基本特性,特に,粗度背後に生じる波状の水面形とその領域における水面の乱流構造を計測することに成功しており,次年度以降ではこの手法を用いて,底面起因の乱流が水面に及ぼす影響を明らかにする予定である.

課題2.移動床実験における土砂捕捉・流動特性(基礎実験)については,課題1と同様の水路に一定間隔で桟粗度を設置して移動床実験を行い,桟粗度間の堆積特性を調べた.その結果,桟粗度間隔が小さく、フルード数が小さいほど、セルフライニング状態となりやすく,フルード数が約3~4の条件では、桟粗度高さに対する桟粗度間隔が5程度あればセルフライニングされる一方で,桟粗度間隔が10程度では,桟粗度間の中ほどに非堆積領域が現れセルフライニングされないことを明らかにした.PIVの結果からは,桟粗度背後に生じる潜り流によって底面付近のガラスビーズの掃流・浮遊が促進されることが示唆され,次年度は,これらのメカニズムについてさらに詳細な検討を行う予定である.

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 片側水没植生群落近傍の乱流・二次流構造と群落幅の影響に関する基礎的研究2024

    • 著者名/発表者名
      松本知将, 岡本隆明, 山上路生, 髙田真志
    • 雑誌名

      土木学会論文集

      巻: 80 ページ: n/a~n/a

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-16080

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 沈木の流下軌道に関する基礎的研究2024

    • 著者名/発表者名
      呉 許剣, 山上路生, 岡本隆明, 角哲也
    • 雑誌名

      土木学会論文集

      巻: 80 ページ: n/a~n/a

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-16083

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 風を伴う開水路流れにおける浮子の流下特性2024

    • 著者名/発表者名
      呉 許剣, 山上路生, 岡本隆明
    • 雑誌名

      土木学会論文集

      巻: 80 ページ: n/a~n/a

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-16164

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 発電用ダムの通砂運用効果推定手法の適用性と大規模出水における土砂動態特性の検討2024

    • 著者名/発表者名
      森本 晃樹, 角 哲也
    • 雑誌名

      土木学会論文集

      巻: 80 ページ: n/a~n/a

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-16086

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ダム洪水吐きの持続的機能発揮に向けた貯水池堆砂・流木・沈木管理2023

    • 著者名/発表者名
      髙田 翔也、角 哲也、木村 一郎、山上 路生、小柴 孝太
    • 雑誌名

      河川技術論文集

      巻: 29 ページ: 479~484

    • DOI

      10.11532/river.29.0_479

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 発電ダムにおける持続可能な土砂管理手法の選択と運用高度化の課題2023

    • 著者名/発表者名
      奥村 裕史、安藤 悠、角 哲也
    • 雑誌名

      河川技術論文集

      巻: 29 ページ: 455~460

    • DOI

      10.11532/river.29.0_455

    • 査読あり
  • [学会発表] 片側水没植生群落近傍の乱流・二次流構造と群落幅の影響に関する基礎的研究2023

    • 著者名/発表者名
      松本知将
    • 学会等名
      土木学会水工学講演会
  • [学会発表] 沈木の流下軌道に関する基礎的研究2023

    • 著者名/発表者名
      呉 許剣
    • 学会等名
      土木学会水工学講演会
  • [学会発表] 風を伴う開水路流れにおける浮子の流下特性2023

    • 著者名/発表者名
      金子 峻
    • 学会等名
      土木学会水工学講演会
  • [学会発表] ダム洪水吐きの持続的機能発揮に向けた貯水池堆砂・流木・沈木管理2023

    • 著者名/発表者名
      髙田 翔也
    • 学会等名
      土木学会河川技術シンポジウム
  • [学会発表] 発電ダムにおける持続可能な土砂管理手法の選択と運用高度化の課題2023

    • 著者名/発表者名
      奥村 裕史
    • 学会等名
      土木学会河川技術シンポジウム

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公開日: 2024-12-25  

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