研究課題/領域番号 |
23H01529
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
秦 康範 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (70360849)
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研究分担者 |
金井 昌信 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (20375562)
佐々木 邦明 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30242837)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 災害情報 / リスク / ハザードマップ / 意識調査 / 質問紙 |
研究実績の概要 |
確率論的地震動予測地図や洪水ハザードマップ等のリスク情報が、情報の出し手の意図に反して、安全情報として情報の受け手に認知されることが報告されている。本研究では、秦(2020)が提案した「災害情報の裏命題」に着目し、リスク情報が安全情報として理解されるメカニズムと認識のギャップを説明する概念図を援用し、認知バイアスに影響を与える個人属性を精査し、その影響の程度を質問紙調査によって明らかにする。そして、その結果を踏まえて、「適切に伝わる」リスク情報の提供方法を提案することを目的とする。この目的を達成するために、今年度は主に下記の3項目を実施した。 1.予備調査:地震、水害、交通安全に関する質問紙をそれぞれ設計し、地震と水害については大学生を被験者として、交通安全については免許更新者を被験者として予備調査を実施した。予備調査の結果を踏まえて、質問紙の設計にフィードバックを行った。 2.地震に係る質問紙調査:地震に係る用語の認知と備えや準備の状況の程度を測る標準的な質問紙を設計し、複数の地域(8市区)を対象とした意識調査を実施した。その結果、設計した調査票は地震に関する標準的な質問紙として機能することが確認された。 3.水害に係る調査:各自治体が作成するハザードマップの記載内容を収集し、情報の送り手(自治体)が、受け手(ハザードマップ閲覧者)にリスク情報を誤って理解しないようにする工夫や注意喚起に関する記載は見られないことが確認された。また、予備調査を踏まえて、リスク情報に応じた避難行動が選択されることを阻害する要因を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に実施する予定であった研究計画の内容である地震、水害、交通安全に関する質問紙の設計、ならびに設計した質問紙が機能するかどうかの予備調査を実施した。また、地震と水害に係る調査を実施し、予定していた以上の成果も一部得られている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に実施した予備調査の結果を踏まえて、バイアスの計測が可能と思われる属性、リスク情報の表現等の調査項目を修正する。質問紙の修正を行い、本調査のための質問紙の設計、本調査の実施を行う予定である。
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