研究課題/領域番号 |
23H01547
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
浅田 安廣 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60610524)
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研究分担者 |
山口 晴代 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 主任研究員 (20722672)
對馬 育夫 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(つくば中央研究所), 主任研究員 (50462487)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 藍藻類 / カビ臭 / 遺伝子検査 / 顕微鏡観察 / 監視技術 |
研究実績の概要 |
多様な単離株作成を目的として、様々な水源でのカビ臭産生藍藻類の調査を行った。その中で新たにカビ臭発生が問題となる湖沼に流入する河川について、カビ臭産生藍藻類の発生源の調査を実施した。ここではカビ臭原因物質濃度とqPCRによるカビ臭産生藍藻類の簡易同定を行い、カビ臭産生藍藻類とその原因種の発生源を明らかにした。また同時に、日本の数カ所の水源でカビ臭産生藍藻類、非産生藍藻類を単離し、単離株を作製した。単離株については、Dolichospermum属を中心に、計測データ、自家蛍光データなどの形態情報について取りまとめた。 続いて、画像診断に向けて、Dolichosperumum属に含まれる単離培養された12種類について、それぞれ約600枚ずつ顕微鏡画像を取得し、Residual Networksモデルを用い画像を学習させ画像自動分類を試みた。2択による判別を行った結果、同属異種では、判別率がほぼ100%だった場合もあった。一方、同種異タイプでは、判別率が50%程になる場合が多く、最大でも72%であり、今後の課題が抽出できた。 最後に、Dolichosperumum属に含まれる単離培養された12種類について、全ゲノムの配列取得を試みた。藻類に対する付着細菌については、可能な限り洗浄を行うことで、染色体に関するゲノム配列の取得への影響を低減させた。しかし付着細菌は完全に除去できないことから、プラスミドに関するゲノム配列については取得できなかった。その一方で、12種類中、11種類で染色体に関するゲノム配列を取得でき、系統分析等が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、多様な単離株作成を目的として、様々な水源でのカビ臭産生藍藻類の調査を行っており、新たにカビ臭産生藍藻類、非産生藍藻類を単離し、単離株を取得している。単離株については、様々な種の単離株を保有できていることから、今後の解析に向けて十分な株を取得できたと言える。 続いて、まずDolichosperumum属に含まれる単離培養された12種類を用いて、現状の成果と課題について整理し、今後進めていく上での重要点を抽出できたことから、十分な成果を得られている。また、付着細菌を多く含むDolichosperumum属を用いることで、全ゲノムの配列取得に対する問題点とその対応について整理ができており、系統分析が可能である11種類の染色体に関するゲノム配列を取得できたことから、十分な成果を得られている。 このように、カビ臭産生藻類と非産生藍藻類での判断において、形態の類似性から判断が困難であるDolichosperumum属を用いることで、画像診断、全ゲノム解析に関する情報取得のための方法論の構築と課題抽出ができたことから、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
カビ臭産生藍藻類と非産生藍藻類での判断において、形態の類似性から判断が困難であるDolichosperumum属について、画像診断、全ゲノム解析に関する情報取得のための方法論の構築と課題抽出ができた。 今後は、様々な藍藻類について画像診断、全ゲノム解析に関する情報取得を行う。そして、これらの情報に基づき、カビ臭産生藍藻類の判定手法を検討し、実試料での監視方法について整理を行っていく予定である。
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