研究課題/領域番号 |
23H01567
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下田 吉之 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (20226278)
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研究分担者 |
山口 容平 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40448098)
内田 英明 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (90837387)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | カーボンニュートラル / 都市形態 / デジタル化 / 脱炭素都市 / 人間行動 |
研究実績の概要 |
長期の脱炭素都市計画に関する文献レビューをおこなった後、家庭部門最終エネルギー需要シミュレーションモデルを中心に、パーソントリップ調査、業務部門最終エネルギー需要シミュレーションモデルを援用して、テレワーク・e-commerceの進展に伴う居住地の郊外化、電気自動車のライドシェアリングによる脱炭素化の進展などを考慮したシミュレーションを大阪府茨木市を対象に実施した。 その結果、業務部門(事務所床面積の減少)と交通部門(通勤時自動車利用の減少)におけるエネルギー消費削減効果が,家庭部門(家庭内機器稼働の増加)におけるエネルギー消費増加効果を大きく上回った.テレワークを契機とした郊外への住み替えが起きた場合も,全戸が屋上にPVを設置し発電した電力を自家消費することで,大きなエネルギー消費の削減効果が得られる.またライドシェアリングによる自動車乗車密度の向上(トリップ削減)もエネルギー消費削減効果が大きい. ただし,テレワークやライドシェアリングの進展がエネルギー消費に及ぼす影響は,実際はより複雑で、テレワークによって余暇時間が増えることで遠出することが増える,テレワーク実施者が通勤しなくなった分,他の世帯員が自動車で出かけるようになる,といったリバウンド効果が考えられる.またデジタル化の進展によってデータセンターの電力消費量が増加していることも考慮が必要である.次年度以降は海外都市の脱炭素化移行を取り扱うため、世界全国を対象としたモデルを開発していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
情報化の進展によるテレワーク・e-comerceの普及等人間行動の変化とそれに伴う住宅の郊外化・大型化、自動運転の電気自動車をシェアリングすることによる運輸エネルギー需要の変化などをモデル化したケーススタディは既に一例完成し、これらの事象はほぼ様々なシナリオ下で評価できるレベルまで達している。
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今後の研究の推進方策 |
DLSサービス水準を様々な条件下で設定し、それぞれの水準下での脱炭素化への移行を評価することが重要と考え、家庭のシミュレーションモデルを海外にも適用できるよう改造していく。
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