研究課題/領域番号 |
23H01620
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
巻 俊宏 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (50505451)
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研究分担者 |
田村 岳史 国立極地研究所, 先端研究推進系, 准教授 (40451413)
藤井 昌和 国立極地研究所, 先端研究推進系, 助教 (80780486)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 自律型海中ロボット / 南極 / ナビゲーション |
研究実績の概要 |
極域の海を覆う氷の形状や広がりを理解することは、地球全体の気温や海水面変動を予測するために不可欠である。AUV(自律型海中ロボット)は無索・全自動であるため氷の裏側深くまで潜入し、これまで難しかった氷裏面の形状を計測できる可能性を持つ。さらに氷の近傍まで接近させて流速、生態系、水質など生物学や海洋物理学に有用なデータも得られると期待されるが、限られた開水面(氷のない海域)へ確実に戻ってくるための安定した自己位置推定、複雑な形状の氷を低高度で追従する地形追従などナビゲーション面の課題をクリアする必要がある。本研究の目的は「海氷や棚氷の裏面を観測するためのAUVのナビゲーション手法を開発すること、そして開発した手法をAUVに実装し、実際の氷海域において有効性を示すこと」である。申請者らが開発したAUV MONACAを用いた海域試験およびシミュレーションを繰り返して手法の完成度を高め、氷海域での実証を目指す。
R5年度は、研究計画に従って相互音響測位手法、近距離追従手法の開発を並行して進めた。JARE64(第64次南極観測)でMONACAによって得られたデータを元に、シミュレーションによって手法の検討を進めるとともに、R5年10月に沿岸域において試験を行い、その有効性を検証した。また、R6年2月には北海道紋別港の海氷域にMONACAを展開し、氷海域における有効性を検証するとともに、問題点の抽出を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
R5年度はこれまでに取得したデータに基づくシミュレーションおよび海域試験を通して、相互音響測位、近距離追従のそれぞれの手法の開発を進めた。ほぼ計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
R6年度は、R5年度に開発した相互音響測位手法についてAUV MONACAを用いた実海域試験を経て性能向上を図るとともに、本年度後半に予定されている第66次南極観測において実際に南極海氷域にMONACAを展開し、有効性を検証する。近距離追従手法についても、AUV MONACAおよび小型のAUV HATTORIを用いた水槽試験、海域試験を行い、性能の向上を図る。
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