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2023 年度 実績報告書

未知なる「あびき」発生メカニズム解明に向けた大気海洋一体型数値計算モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23H01666
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人防災科学技術研究所

研究代表者

近貞 直孝  国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震津波防災研究部門, 主任研究員 (90318197)

研究分担者 中條 壮大  大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (20590871)
鴫原 良典  防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (90532804)
馬場 俊孝  徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (90359191)
高橋 成実  国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震津波火山ネットワークセンター, 上席研究員 (70359131)
久保田 達矢  国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震津波火山ネットワークセンター, 主任研究員 (70808071)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワードあびき / 気象津波 / 非地震性津波 / 微気圧観測 / 海底圧力観測
研究実績の概要

地震による津波や台風接近時の高潮等,沿岸部を襲う自然災害は様々あるが,九州地方で繰り返し発生している「あびき」と呼ばれる災害は,晴天で凪いでいる海に突如として津波が襲来し,船が転覆するなどの被害を生じさせている.「あびき」は繰り返し発生しているにも関わらず,事前に予報する仕組みが無いため,災害に備えることが非常に困難である.同様の仕組みで発生する高潮は,台風などの低気圧によって生じるため,悪天候時に発生するため備えることが出来る.このような被害を生じさせないためにも「あびき」の予測手法の確立は喫緊の課題であり,その実現が本研究の目的であり,本研究では,大気海洋一体型の数値計算モデルを開発し,海底圧力観測記録及び微気圧観測記録を用いた明日の「あびき予報」の実現に向けて一歩を踏み出す.
現在では当たり前となっている天気予報も,予報に必要な観測データが得られ,得られた観測データから未来を予測するための数値計算モデルがあるからこそ実現出来ている.これを「あびき予報」でも実現可能にするため,防災科学技術研究所が所管する日本海溝海底地震津波観測網(S-net)と地震・津波観測監視システム(DONET)を対象に,気象津波を定量的かつ半自動的に検知するための手法を開発し新規観測データへの適用を開始した.そして,微気圧波モデルを構築するための推定手法の開発に着手すると共に,海面変動により発生した津波の水理実験手法の検討を行った.また,気象津波伝播モデルの試作を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り微気圧波モデルを構築するための推定手法の開発及び海面変動により発生した津波の水理実験手法の検討を行った一方,海底圧力観測データに対する自動検知は手法の検討を引き続き行うため全データへの適用は見送っている.しかし,計画に先行して気象津波伝播モデルの試作を行えたため全体としてはおおむね順調に進展していると言える.

今後の研究の推進方策

海底圧力観測データに対する自動検知手法を確立し,全データへ適用することで微気圧波モデル構築を進めると共に,水理実験装置の準備を開始する.

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 2022年トンガ火山性津波における山田湾を対象とした養殖施設の漂流シミュレーション2023

    • 著者名/発表者名
      SHIGIHARA Yoshinori、TANAKA Kento、YAMAMOTO Ako、SUPPASRI Anawat、TAKAGAWA Tomohiro、SASAKI Daisuke、IMAMURA Fumihiko
    • 雑誌名

      Japanese Journal of JSCE

      巻: 79 ページ: n/a~n/a

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-18135

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 2022年のトンガ火山による大気ラム波が励起した全球規模の津波の発生と成長と伝播2023

    • 著者名/発表者名
      久保田 達矢
    • 雑誌名

      地震ジャーナル

      巻: 2023 ページ: 2~14

    • DOI

      10.60191/eqj.2023.76_2

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 2022年1月15日のトンガの火山噴火に伴う全球規模の津波発生と伝播2023

    • 著者名/発表者名
      久保田達矢・齊藤竜彦・西田究
    • 雑誌名

      海洋調査技術

      巻: 35 ページ: 23-26

  • [雑誌論文] 2021年に大阪湾付近で観測された微気圧波と湾奥部における水位変動の関係2023

    • 著者名/発表者名
      中條 壮大,西崎 悠,二宮 順一,金 洙列
    • 雑誌名

      Japanese Journal of JSCE

      巻: 79 ページ: n/a~n/a

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-17039

    • 査読あり
  • [学会発表] 養殖施設に作用する津波流体力に関する水理実験2024

    • 著者名/発表者名
      中村基希,鴫原良典,田中健登
    • 学会等名
      第51回土木学会関東支部技術研究発表会
  • [学会発表] 津波波形データベースの開発2023

    • 著者名/発表者名
      近貞直孝
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2023年大会
  • [学会発表] Developing 2D Numerical Modeling for Meteorite Impact Tsunamis2023

    • 著者名/発表者名
      Naotaka CHIKASADA
    • 学会等名
      APRIM2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 非地震性津波の数値計算モデル開発の取り組み2023

    • 著者名/発表者名
      近貞直孝
    • 学会等名
      研究集会「海洋・海岸等における波動モデルの研究」
  • [学会発表] Drift Simulation of Aquaculture Facilities in Yamada Bay in the 2022 Tonga Volcanic Eruption and Tsunami2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Shigihara, Kento Tanaka, Ako Yamamoto, Anawat Suppasri, Tomohiro Takagawa, Daisuke Sasaki, Fumihiko Imamura
    • 学会等名
      IUGG2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 相模湾沿岸の津波対策の現状2023

    • 著者名/発表者名
      鴫原良典
    • 学会等名
      2023年度日本建築学会大会(近畿)海洋建築部門研究協議会
  • [学会発表] 固体・流体地球を考慮した海底圧力データ解析による地震・津波・火山噴火現象に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      久保田達矢
    • 学会等名
      日本地震学会2023年度秋季大会
  • [学会発表] 2021年に大阪湾付近で観測された微気圧波と湾奥部における水位変動の関係2023

    • 著者名/発表者名
      中條 壮大,西崎 悠,二宮 順一,金 洙列
    • 学会等名
      海岸工学講演会
  • [学会発表] 大阪湾周辺における2021年の微気圧波モニタリングによる気象津波のポテンシャル評価2023

    • 著者名/発表者名
      西崎 悠,中條 壮大
    • 学会等名
      関西土木工学交流発表会Ⅱ-32
  • [学会発表] 台風と前線の干渉による2021年の微気圧波発生事例について2023

    • 著者名/発表者名
      西崎 悠,中條壮大
    • 学会等名
      市極端気象シンポジウム/台風研究会
  • [備考] 津波波形データベース(TwDB)

    • URL

      https://kiyuu.bosai.go.jp/TwDB/

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公開日: 2024-12-25  

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