研究課題/領域番号 |
23H01771
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
福田 淳二 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (80431675)
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研究分担者 |
エン 雷 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所, 「再生毛髪の大量調整革新技術開発」プロジェクト, 研究員(任期有) (20966105)
景山 達斗 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所, 「再生毛髪の大量調整革新技術開発」プロジェクト, 研究員(任期有) (40822177)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 毛髪再生医療 / 毛包オルガノイド / 毛乳頭細胞 |
研究実績の概要 |
細胞組織工学の分野では、発生プロセスを生体外培養系で再現するオルガノイド培養の研究が近年注目されている。毛髪を生み出す毛包組織は、発生プロセスでは、他の多くの臓器と同様に上皮-間葉の相互作用がトリガーとなり形態形成の誘導が開始される。我々は、上皮系細胞と間葉系細胞を凝集体培養する際にこれら2種類の細胞の空間配置を制御することで、毛髪を備えた毛包オルガノイドが誘導されることを近年発見した。本研究では、独自に見出したこの毛包オルガノイドで形成した毛包を植毛可能なサイズまで伸長させる条件を見出し、実際に皮膚へ直接移植できるか評価するとともに、毛包形成プロセスを解析し毛包発生のメカニズムを明らかにすることを目的としている。 当該年度は、マウス胎児から採取した上皮系細胞と間葉系細胞をマトリゲル添加培地に懸濁し、細胞非接着性の96U底ウェルプレートに播種した。ウェル内で培養を続ける浮遊培養、もしくは培養1日目の細胞凝集体を100%マトリゲルに包埋するゲル包埋培養を行うことで、毛包オルガノイドを作製した。浮遊培養では毛幹の伸長は培養8日目で止まり、その長さは200 um程度であった。一方、ゲル包埋培養では、培養14日目まで毛幹が伸長を続け、その長さは約1 mmに達した。このことは、培養中の毛包の伸長には、オルガノイドの周囲にゲル状の細胞外マトリクスが存在する必要があることを示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
毛包オルガノイドから1 mmに達する毛幹構造を形成させる手法を見出した。さらに、免疫蛍光染色の結果から、培養14日目の毛包は、生体毛包と同様にバルジや毛乳頭細胞などの基本構造を有しており、発毛関連遺伝子であるCD34やversicanをそれぞれ発現していることを示された。このように、当初計画した通り、毛包オルガノイドに形成させる毛包から長毛化を誘導する手法を確立した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、今回見出した長毛を有する毛包オルガノイドをマウス皮膚へ直接移植し、その後の毛周期を観察し、正常な毛包組織が形成できるか評価する。さらに、生体外で毛包組織の形成が誘導できることから、これをモデルとして利用して毛包形成プロセスを解析し、毛包発生のメカニズムを明らかにする。
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