研究課題/領域番号 |
23H01821
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
梶 弘和 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70431525)
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研究分担者 |
片桐 さやか 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 准教授(キャリアアップ) (60510352)
梨本 裕司 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (80757617)
堀 武志 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (30808829)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 生体模倣システム |
研究実績の概要 |
本年度は、主に歯肉上皮組織の培養条件、および胎盤オルガノイドの作製条件の検討を行った。 複数のチャネルを有するマイクロ流体デバイス内で、ヒト歯肉線維芽細胞(hGF)とヒトテロメラーゼ不死化ケラチン細胞(TIGK)の共培養を検討した。隣接するチャネルの一方にフィブリンゲルに混合したhGFを導入してプレ培養を行った後、もう一方のチャネルにTIGKを導入して上皮組織の形成を試みた。hGFのプレ培養が3日間の条件では、フィブリンゲルの収縮が観察され上皮の足場の形成が困難であったが、プレ培養が7日間の条件では、hGFの足場の上にTIGKの単層の形成が確認できた。免疫染色により、基底層文化マーカーであるK14の発現も確認できた。 ヒト胎盤幹細胞(TS細胞)を3次元的に培養することにより、胎盤オルガノイドの作製を試みた。アガロースで作製したマイクロウェル内にTS細胞を播種し、胎盤形成に関わる成長因子などを培養液に添加した後、8日間ほど培養した結果、球状の胎盤オルガノイドを作製することに成功した。この胎盤オルガノイドを詳細に解析したところ、オルガノイド表面の細胞は、バリア細胞のマーカータンパク質であるSDC1やhCGβを発現していることが明らかになった。さらに、オルガノイド表面を電子顕微鏡で観察すると、実際の絨毛と同様に表面の細胞は融合しており、また、多くの微絨毛が確認できた。さらに、母体-胎児間で起きる物質移行の定量的な評価を可能にするために、平面状のバリアモデルの作製を試みた。球状の胎盤オルガノイドの培養条件をもとに、ガラス化コラーゲン膜上でヒト胎盤幹細胞を培養したところ、未分化細胞の上にバリア細胞の被服率がほぼ100%のバリアモデルを作製することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り研究が進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
大幅な研究計画の変更は考えておらず、当初の計画に沿って研究を遂行する。
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