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2023 年度 実績報告書

液晶ホログラフィック光学素子を用いた透明光デバイスの開拓

研究課題

研究課題/領域番号 23H01880
配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

吉田 浩之  大阪大学, 大学院工学研究科, 講師 (80550045)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード液晶 / ホログラフィック光学素子 / 配向
研究実績の概要

サイバー空間とフィジカル空間の高度な融合に向け、小型・軽量でありながら光を自在に操ることで情報を表示したり受信する高機能光学素子が求められている。本研究ではパターン配向処理を施した基板に螺旋周期構造をもつコレステリック液晶を製膜することで特性の光を反射・回折する機能をもつ液晶ホログラフィック光学(HOE)と導波路構造を組み合わせ、環境光下では無色透明でありながら画像を表示また受光できる新しいデバイス群の創出を目的としている。今年度は液晶HOEの配向品質について、構造パラメータと配向欠陥の密度を定量解析するとともに、断面構造観察による欠陥形状を明らかにした。液晶HOEにおいて周期構造は膜面に対して傾斜しているが、約39°の傾斜角までは欠陥密度の低い、良好な配向が得られることを明らかにした。また、液晶HOEの配向欠陥は周期的層構造の局所的な湾曲として空気界面側に集中していることを確認した。良配向を得られる構造パラメータをもつ液晶HOEについて、光線モデルにより回折波長および回折角度を解析したところ、設計に応じて可視~近赤外光の光を、導波路に結合させうる大きな回折角度で回折させられることを明らかにした。これらのことを通し、提案デバイス作成のための要素技術の構築に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究で提案する、環境光下では無色透明でありながら近赤外光を回折する光デバイスの実現に向け、所望の可視~近赤外光を、導波路に結合させ得る大きな回折角で回折させられる液晶HOEを高い配向品質で作製できることを確認した。この成果により、申請書に記載したデバイスの作製が期待できることに加え、新しいアイディアを試行錯誤する技術的基盤が整った。以上より、おおむね順調に進んでいると判断した。

今後の研究の推進方策

研究代表者の異動があり、新しい所属先で研究環境を整える必要があるため、早期の立ち上げに取り組む。昨年度までに構築した液晶HOE作製の基盤技術に基づき、異なる構造パラメータをもつ液晶HOEを作製し、デバイス応用を検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Transversely graded polarization volume gratings fabricated by freeform holographic photoalignment2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshida Hiroyuki、Abe Yudai、Igeta Koichi、Higuchi Ayaka、Kobashi Junji、Tomioka Yasushi、Oka Shinichiro
    • 雑誌名

      Optics Letters

      巻: 49 ページ: 121~121

    • DOI

      10.1364/OL.506271

  • [学会発表] ARメタバースに向けた大面積・塗布型液晶偏光回折格子2023

    • 著者名/発表者名
      吉田浩之
    • 学会等名
      2024年第71回応用物理学会春季学術講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 高分子/液晶コンポジット材料の電気光学特性の膜厚依存性2023

    • 著者名/発表者名
      佐々木渉太、吉田浩之
    • 学会等名
      2023年日本液晶学会討論会

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公開日: 2024-12-25  

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