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2023 年度 実績報告書

FeCrAl-ODSの鉛冷却SMRにおける応力-腐食重畳環境下の構造健全性工学

研究課題

研究課題/領域番号 23H01895
配分区分補助金
研究機関横浜国立大学

研究代表者

大野 直子  横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (40512489)

研究分担者 近藤 正聡  東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (70435519)
笠田 竜太  東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20335227)
余 浩  東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10825871)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード鉛冷却炉 / FeCrAl合金 / 保護性アルミナ被膜 / 液体金属脆化 / 応力・腐食重畳環境 / 界面せん断試験 / 引張試験
研究実績の概要

鉛冷却小型モジュール炉(LF-SMR)の炉心構造材の液体金属脆化をFeCrAl系の酸化物分散強化合金(FeCrAl-ODS)によって克服することを目指している。R5年度は、卓上引張試験機を一台購入して、電気炉を後付けすることで高温引張試験装置を組み上げた。また、液体金属環境での機械特性評価が簡単に行え、且つ腐食と応力の重畳環境効果を解析可能な試験治具を新たに考案し、設計した治具を試作して、組み上げた試験機に装荷し、~3.3×10^-6/secまでの引張試験が問題なく可能であることを確認した。
このほかに、本研究で取り扱う予定のFeCrAl-ODSフェライト系合金の参照データを取得するため、予備酸化処理によって保護性アルミナ被膜を形成させた後の試験片を用いて、腐食なしの環境における圧縮せん断試験と引張試験を実施し、界面せん断応力と引張応力に対する被膜の破損評価を行った。マイクロダブルノッチせん断(DNS)試験の結果、冷間圧延→再結晶処理によって結晶粒を粗大化させた状態の試験片に形成させた保護性アルミナ被膜のほうが、熱間押出材の微細粒の状態で形成させた保護性アルミナ被膜よりも、より高い応力まで破損せずに耐えられることが明らかになった。同じ組成をもつFeCrAl-ODSでも、試験片の微細組織の違いによって被膜の破損強度が異なることは、本研究によって初めて得られた知見である。
運転温度付近でFe-Crの相分離による脆化を引き起こさないオーステナイト系(2相系)の合金開発については、当初の予定通り、低放射化元素かつオーステナイト安定化元素であるMnを添加したFeCrAlMn系で、高温強度・耐腐食性・加工性を満たすODS合金の最適組成を目指した合金開発に着手した。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

①液体Pb・LBE環境下での機械特性試験手法の開発(横浜国大・東工大):卓上引張試験機を一台購入して電気炉を取り付けることで高温引張試験装置を組み上げ、液体金属脆化の温度域(300℃)において、いちばん遅いひずみ速度で~3.3×10^-6/secの引張試験ができることを確認した。試験片のレイアウトについては、液体金属中の溶存酸素濃度制御の容易性や従来の引張試験との互換性を検討しなおした結果、申請時に予定していた中空丸棒試験片の案を改良し、既存の原子力材料に多く使用される試験片の規格(SS-J2)を用いることができる液体金属浸漬その場引張試験治具を設計することとした。R5年度中に設計した治具の製作を終了し、組み上げた試験機に問題なく装荷できることを確認した。また、これまでに引張応力下でのFeCrAl-ODSの保護性アルミナ被膜の健全性を検討した例がないことや、予備酸化処理して成長させた被膜自体の機械的特性には参照となれるデータが未だ乏しいことを考慮し、腐食環境下での引張試験を開始するよりも前に、まずは保護性アルミナ被膜の機械強度を詳細に調査することとし、実績の概要に記したDNS試験および室温/300℃の引張試験によって、被膜の機械特性を詳細に調査した。
②オーステナイト系(および2相系)FeCrAl-ODSの液体Pb・LBE環境下での機械特性評価試験(横浜国大・東北大):当初の予定通り、低放射化元素かつオーステナイト安定化元素であるMnを添加したFeCrAlMn系で、高温強度・耐腐食性・加工性を満たすODS合金の最適組成を目指した合金開発に着手した。しかし、高温強度と加工性を両立するFeCrAlMn合金の組成はおおむね決定できているものの、耐腐食特性を得るために12wt.%以上のCrを添加すると、運転温度域付近において安定した結晶構造を得ることが難しいことが分かってきている。

今後の研究の推進方策

①液体LBE環境下での機械特性試験評価(横浜国大・東工大):R5年度に製作した液体金属浸漬その場引張試験治具を用いて、SUS316LおよびFeCrAl-ODSの~3.3×10^-6/secまでの引張試験を行う。LBEへの浸漬あり・なし両方の条件における試験片の応力-ひずみ曲線の解析と試験後の微細組織観察によって、引張応力が液体Pb・LBEの拡散侵入にもたらす影響と、Pb・LBEの拡散侵入が合金母材の機械特性(降伏応力・伸び)にもたらす影響を明らかにする。
②オーステナイト系(および2相系)FeCrAl-ODSの液体Pb・LBE環境下での機械特性評価試験(横浜国大・東北大):R5年度に引き続き、高Cr, Al系において液体金属環境下で使用可能なFeCrAlMn-ODSの最適組成を探索する。R6年度の後半には、これまでに試作してきた開発材の中から実績のある組成を選択して引張試験片を作製し、R7年度より開始予定の液体金属浸漬その場引張試験の前段階として、炉の運転温度をカバーした室温~600℃程度の温度域において引張試験によって強度データを取得する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 液体金属中で応力を負荷された316Lオーステナイト鋼の化学的共存性に関する研究2024

    • 著者名/発表者名
      大野健士、近藤正聡、大野直子
    • 学会等名
      日本原子力学会2024年春の大会

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公開日: 2025-12-26  

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