研究課題/領域番号 |
23H01997
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鳥屋尾 隆 北海道大学, 触媒科学研究所, 准教授 (80775388)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | サステナブル炭素資源 / 固体触媒 / オペランド分光 |
研究実績の概要 |
2023年度は、本研究の目的である、サステナブルな炭素資源の還元的化学資源化を実現する固体触媒の開発に向けて、実験及び理論計算を組み合わせた研究を行った。具体的には、新規な不均一系触媒を合成し、それを用いた還元的化学資源化反応を行った。加えて、いくつかの触媒反応系に対して、オペランド分光を用いた解析を通した反応機構解析を行った。特に、X-ray absorption spectroscopy (XAS)測定、X-ray photoelectron spectroscopy (XPS)測定からは触媒活性種の酸化還元特性を、Diffuse reflectance infrared Fourier transform spectroscopy (DRIFTS)測定からは触媒表面吸着種の情報を得た。その際、分光法におけるシグナル/ノイズ(S/N)比を劇的に向上させ、物理・化学現象の動的過程に関与する種を選択的に解析することのできる強力な手法であるModulation Excitation (ME)法も用いた。理論計算では、反応雰囲気や温度の影響を計算結果に導入できる第一原理熱力学法等を活用することで実条件に即した理論計算を行った。現代の計算化学で一般的に用いられる手法は、温度や圧力等の条件を考慮しないため、物質のダイナミクスが重要となる触媒分野、特に、本課題のように高圧条件下で活性種の動的挙動捉える必要のある研究では反応条件を加味した計算が必須となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた触媒反応を実施し、有望な成果をあげている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの検討で確立した触媒設計指針に従って、改良触媒を開発する。理論計算先導での触媒開発も目指す。
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