研究課題
1) 3次元多孔体の作製二重6員環(D6R)構造のカゴ型シリケートの頂点にSiCH=CH2基やSiH基、SiOEt基を修飾する手法を確立し、それらをビルディングブロックとして、頂点官能基間のヒドロシリル化反応や、ルイス酸触媒を用いたシロキサン結合形成反応によって、3次元的な多孔性ネットワーク構造体の構築に成功した。この系において、カゴ型ゲルモキサン(Ge-O-Ge)化合物が新たな細孔形成のための無機鋳型として利用可能であることを示した。さらに、シラノール基で修飾された二重4員環(D4R)構造のカゴ型シロキサンとAl化合物等とのSi-O-M (M = 金属)結合形成により、孤立金属サイトを有する多孔体を得た。新しいメタロシロキサン系ビルディングブロックとして、2分子のカゴ型シロキサンがTi-O-Ti結合で架橋された二核金属サイトを有するダンベル型化合物の合成にも成功した。2) 2次元構造体の作製1頂点に長鎖アルキル基を修飾したカゴ型シロキサンの多層配列に成功した。層剥離によるナノシート化に向けた設計として、長鎖の第四級アンモニウム基を有する多層有機シロキサン構造体の作製も行った。さらに、界面活性剤の分子集合体を鋳型として用いたシリカナノシートの直接合成法も開発した。触媒への展開に向けて、層状ケイ酸塩を2次元の結晶性ナノシートとして用い、表面の金属修飾による触媒活性点の導入や、ナノ粒子との複合化による結晶性多孔体の作製にも成功した。3) 1次元構造体の作製ジメチルシラノール基修飾されたD6Rシロキサンの分子間水素結合による1次元配列を達成した。また、1次元配列を保持したまま分子間をシロキサン結合で連結するための制限場として、シリンダー状のナノチャネルを有する有機修飾型メソポーラスシリカの作製を行い、メソ孔内へのオリゴシロキサンの導入が可能であることを確認した。
2: おおむね順調に進展している
3次元多孔体の作製については、新しいビルディングブロックの利用や金属種の導入により様々な新規材料が得られている。また、1次元、2次元配列についても一定の成果が得られている。いずれの系についても論文発表を行っており、研究が順調に進展していると言える。
3次元多孔体の作製については、薄膜などへの形態制御や、金属種を導入したメタロシロキサン系材料の触媒特性評価を行う。1次元、2次元構造体の作製については、カゴ型シロキサンの1次元配列場としてのメソポーラスシリカや、2次元配列場としての界面活性剤の分子集合体を利用して、カゴ型シロキサンの1次元、2次元配列制御による規則性(結晶性)シロキサン材料の合成に取り組む。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 3件、 招待講演 5件)
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