研究課題/領域番号 |
23H02179
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
舘野 浩章 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (30450670)
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研究分担者 |
木下 聖子 創価大学, 糖鎖生命システム融合研究所, 教授 (50440235)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | シングルセル / 糖鎖 / 次世代シーケンサー |
研究実績の概要 |
全ての生物の基本単位である細胞の最表層は糖鎖で覆われている。糖鎖は細胞の種類(cell type)や状態(cell state)で変化し、多細胞間相互作用を媒介することで多様な生命現象に関与している。また糖鎖は各種疾病のバイオマーカーや創薬標的として重要である。個々の細胞にはどのような糖鎖が発現し、細胞機能や運命決定に関与しているのか?最近、研究代表者(舘野)は世界で初めて、1細胞ごとに発現する糖鎖と遺伝子を次世代シーケンサーで同時解析する技術(scGR-seq)の開発に成功した。本研究ではscGR-seqを基盤として、1細胞ごとに発現する糖鎖の構造と機能を解明、応用するための新たな技術を開発することを目的とし、本年度は(I)scGR-seqの高スループット化、(III)糖鎖受容体スクリーニング技術の開発、(IV) 各種細胞・組織の解析、(V)AIによるデータ解析技術の構築、(VI)scGlycoAtlasの構築を行った。ドロップレット技術を導入することでドロップレット型scGR-seqを開発した。プレート型では1回の実験で100個程度の細胞の解析が可能であったが、ドロップレット型のscGR-seqでは1回の実験で1万個の細胞の解析が可能となり、約100倍のスループットの向上を実現した。さらにドロップレット型scGR-seqを用いて各種細胞、組織の解析を行った。さらにドロップレット型scGR-seqを用いてヒト糖鎖受容体をスクリーニングする技術を開発した。さらにscGlycoAtlasの開発も進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に計画通り研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
(I)scGR-seqの高スループット化についてはこれまでの研究で達成することができた。今後は(II)空間scGR-seqの開発、(III)糖鎖受容体スクリーニング技術の開発、(IV) 各種細胞・組織の解析、(V)AIによるデータ解析技術の構築、(VI)scGlycoAtlasの構築の5つの項目について研究開発を進める。
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