研究課題/領域番号 |
23H02341
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
小野 圭介 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (20549555)
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研究分担者 |
伊川 浩樹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 上級研究員 (10754393)
近藤 文義 海上保安大学校(海上保安国際研究センター), 海上保安国際研究センター, 准教授 (40467725)
細井 文樹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 準教授 (80526468)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | フラックス / 大気輸送モデル / 農耕地 / 炭素管理 / ゼロエミッション |
研究実績の概要 |
2023年度は、まず無人航空機(MUAV)への搭載を想定した計測システムの開発を行った。計測システムはガスサンプリング部をメインに構築し、従来のタワーで計測されたフラックス値を基に検証を行った。冬季のフラックスが非常に小さい期間でも、タワーの渦相関法による測定値と良好な対応関係を示すことが確認できた。並行して、大気輸送モデルに使用する陸面モデルの精緻化を実施し、精度向上を図った。これにより、より正確な大気輸送モデルの構築が可能となった。加えて、上空の風速を推定するために、MUAVの姿勢と風速の関係を実験施設で明らかにし、実際にタワー近傍で飛行させて検証を行った。低風速でもMUAV単独で比較的高い精度で風速を推定できることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
測定システムの開発は予定通り進んだ。ただし、電気系部品の劣化と思われる故障が複数回生じたため、タワーでの検証が冬季にずれ込み、夏季よりも測定に注意を要したが、結果として従来の渦相関法と同程度かそれ以上の精度で測定できることがわかった。大気輸送モデルについては、陸面モデルの改良が必要であることがわかったため、その部分に注力した。MUAVを用いた風速推定は、実験と検証が順調に進展し、学会発表に取りまとめることができた。地表面に近い高さでの検証は世界的にも例がない貴重な成果である。
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今後の研究の推進方策 |
測定システムの開発は順調に進捗しているが、実際にMUAVに搭載する段階では時間を要すると考えられる。その前段階として、MUAVと並行して他の移動プラットフォームの利用も想定している。上空のフラックス分布を推定するために、大気輸送モデルの陸面モデルの改良を継続する。単純化が可能な雪面等を利用する。現段階では大きな計画の変更等は行わずに研究を進められると考えている。
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