研究課題/領域番号 |
23H02363
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 俊太郎 京都大学, 農学研究科, 教授 (50447893)
|
研究分担者 |
星野 洋一郎 京都大学, 農学研究科, 助教 (50541736)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 資源動物 / 家畜 / 初期胚 / 受精卵 / エピゲノム |
研究実績の概要 |
乳肉生産の高度化、気候変動や異常気象、飼養環境によるストレス、疾病、生殖補助技術の適用等により、家畜を含む資源動物の初期胚(受精卵)を取り巻く環境は多様化、複雑化している。ヒトの初期胚についても、これらと共通する環境要因に加え、生活習慣や社会構造の変化、多様化した社会的ストレスによる同様の状況がある。初期胚を取り巻く環境は個々の胚の発生能力や産子の形質に差異を生じさせている。環境要因によって、DNAを含む構造に付加した化学修飾によって遺伝子機能の制御と伝達を行うエピジェネティック修飾やその総体としてのエピゲノムが個々に変容していること、言わばエピゲノムの多様性(エピゲノムダイバーシティ)が考えられるが、細胞数の少ない初期胚では単一の胚のエピゲノム解析は困難であり、その多様性は複数胚解析による平均化によってマスクされ検出できないという問題があった。本研究課題では、マウスおよびウシ初期胚をモデルとして用い、申請者らが開発した単一胚およびその一部の細胞におけるヒストン修飾解析手法を組み合わせて、単一胚エピゲノム統合解析系を創出し、哺乳動物初期胚のエピゲノムダイバーシティを精査する。得られる結果から資源動物初期胚の特性に及ぼす環境の効果の評価系を確立し、資源動物生産や生殖補助医療における受胎率の低下防止や産子の健康リスクの低減につなげるための基盤的知見を得ることを目的としている。令和5年度は、ウシ胚を用いたバイオプシー方法の検討、バイオプシーからのトランスクリプトーム、ヒストンメチローム、DNAメチローム解析法の検討を行った。また、妊孕性に影響を与えうる食餌介入条件としてマウスへの高脂肪食の給餌条件を検討した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
DNAメチローム解析法としてのバイサルファイトシーケンス法の最適化に課題があり、現在検討を続けている。
|
今後の研究の推進方策 |
バイサルファイトシーケンスのライブラリー調製方法の最適化を継続する。これによりバイオプシーからのDNAメチローム解析系が確立した後、トランスクリプトーム、ヒストンメチロームデータとの統合解析を行う。
|