研究課題/領域番号 |
23H02381
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
前田 貞俊 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (50377694)
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研究分担者 |
平島 一輝 岐阜大学, 高等研究院, 特任助教 (50826633)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 皮膚リンパ腫 |
研究実績の概要 |
腫瘍の増殖および転移において重要な役割を果たす細胞内情報伝達物質Rhoに着目し、その関連性について検討した。 実験には、EO-1とイヌCCR4を導入したラット腎線維芽細胞由来細胞株(NRK/CCR4)を用いた。EO-1およびNRK/CCR4においてRhoを活性化するRho-GEF(PREX1、PREX2、PLEKHG2、ARHGEF5およびARHGEF18)の遺伝子転写量をRT-qPCRにより算出し、両細胞における有意差を評価した。有意差を認めたRho-GEFについては、PREX1の下流に存在するRacおよび Cdc42の阻害剤(MBQ-167)0.5 uM、またはARHGEF5およびARHGEF18の下流に存在するROCKの阻害剤(Y27632)10 uMの存在下または非存在下で、EO-1またはNRK/CCR4を12時間培養した。その後、CCR4のリガンドであるCCL17(2 ng/uL)を添加し、0、24、48および72時間後における細胞増殖率をWST法により評価した。 EO-1においては、PREX1、ARHGEF5およびARHGEF18の転写量が有意に高値を示した。RacおよびCdc42を阻害するMBQ-167の添加により、EO-1の増殖率は有意に低下した。一方、ROCKを阻害するY27632を添加しても、EO-1の増殖率に有意差を認めなかった。NRK/CCR4においては、いずれの阻害剤の添加によっても、細胞増殖率に有意差を認めなかった。 EO-1におけるCCR4を介した細胞増殖の促進はRacまたはCdc42が関与していることが明らかになった。p21-activated kinase 1(PAK1)はRacとCdc42が標的とする分子であるが、EO-1においてもPAK1が転写されていることから、細胞増殖との関連性の解明が必要と思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は予定していなかったEO-1のRNAseq解析によって細胞増殖におけるCycline D1/RB経路の関与も示唆された。したがって、イヌの皮膚病変部における発現解析を行い治療標的分子としての有用性について検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
EO-1におけるCCR4を介した細胞増殖の促進はRacまたはCdc42が関与していることが明らかになった。p21-activated ki nase 1(PAK1)はRacとCdc42が標的とする分子であることから、CCR4を介した細胞増殖における関与を評価する。さらに、EO-1のRNAseq解析の結果より、細胞増殖におけるCycline D1/RB経路の関与も示唆されたため、イヌの皮膚病変部における発現解析を行う。これらの細胞増殖に関 わる分子に対するペタシンの作用をin vitroにおいて検証後、マウス移植モデルを用いて臨床的有用性について検証する。
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