研究課題/領域番号 |
23H02440
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
顧 建国 東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (40260369)
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研究分担者 |
亀岡 淳一 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (30261621)
高橋 伸一郎 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (40375069)
福田 友彦 東北医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (40433510)
伊左治 知弥 東北医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (80433514)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 糖転移酵素 / GnTーIII / がん薬剤耐性 / N型糖鎖 |
研究実績の概要 |
抗がん剤に対する耐性は悪性腫瘍の化学療法にとって重要な問題で、患者の予後状態に直結する。これまでの研究で、P-糖タンパク質(P-gp)が多剤耐性のがん細胞で発見されていることや、P-gpの遺伝子欠損マウスにおいて種々の薬剤の半減期が著しく延長されることから、P-gpは極めて重要な薬剤耐性の制御因子として捉えられている。しかし、P-gpの発現制御に関しては不明な点が多い。本研究は、糖転移酵素GnT-IIIによるがんの薬剤耐性の制御とその分子機序の解明という課題を掲げ、糖タンパク質を普遍的に修飾する糖鎖によるがん細胞の薬剤耐性と機能制御という新しい視点から、がん細胞における糖鎖の発現およびその意義を明らかにするとともに、新規のがん治療法の開発に貢献する新知見の提示を目指す。興味深いことに、白血病細胞K562細胞を用いてGnT-IIIによるP-gp等の発現を検討したところ、抗がん剤耐性に関わるABCタンパク質ファミリーの中にABCG2やABCC1ではなくP-gp(ABCB1)のみが抑制されたことを明らかにした。また、GnT-IIIの発現による膜受容体TNF receptor2の活性化や下流シグナルであるNF-κB経路の活性化が抑制され、そしてP-gpの発現抑制につながる経路を明らかにした。また、がんの薬剤耐性において他の糖転移酵素の変化も見られ、その意義に関しても検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予想された結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、これまでの申請者の知見を踏まえ、国内・国外においてほとんど行われていない糖転移酵素GnT-III等によるがんの薬剤耐性の制御および分子機序を明らかにすると共に、「糖鎖修飾による薬剤耐性の制御」という新たな概念を提唱することを目指す。本研究では、GnT-IIIの以外に他の糖転移酵素にも注目する。また、白血病においては、分化における糖鎖の重要性に関しても解析する。真の糖鎖修飾の意義と修飾の特異性を解明し、新しいがんなどの治療戦略の開発に繋げていく。
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