研究課題/領域番号 |
23H02660
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
和栗 聡 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30244908)
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研究分担者 |
田村 直輝 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (70745992)
鈴木 倫毅 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (80456649)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | p62 / SQSTM1 / CLEM / 粘性 / 蛍光寿命 |
研究実績の概要 |
p62液滴の微小粘性測定技術を確立する目的で、粘性プローブを付加したp62タンパク質を細胞に発現させ、高浸透圧ストレス負荷による粘性の変化を蛍光寿命顕微鏡で測定した。まずこのプローブをHaloタンパク質に付加して細胞質に発現させたところ、培地の高浸透圧度に応じて蛍光寿命が延長する(粘性が増す)ことを確認した。次にp62にHaloタンパク質を付加したものを発現させて調べたところ、高浸透圧ストレス下(0.2~0.4Mショ糖)で形成されたp62液滴では、逆に蛍光寿命が短縮した(粘性が低い)。また、この時形成されるp62液滴をCLEM法で調べたところ、p62フィラメントからなる均質な構造で、その辺縁にはしばしば電子密度の高い隔離膜を伴っていた。このことは、液-液相分離で生じるp62液滴内ではp62タンパク質周囲の微小粘性が低いことを示す。しかし、この結果はp62タンパク質内のプローブ位置によるアーティファクトの可能性も否定できない。次年度は、別の液滴として知られるストレス顆粒に局在するG3BP1、およびp62液滴の成分であるKEAP1などのクライアントタンパク質に粘性プローブを付加して実験を行う予定である。 液滴から凝集体への変化を検出し得るタンパク質の探索を目的として、比較的強い高浸透圧ストレス(0.8 Mショ糖添加)下で特異的に不溶性画分に集積する分子を質量分析計により解析し、候補分子リストを得た。現在、それら候補分子の局在や発現解析実験を行っている。 ATG9A欠損細胞で認められるSTING陽性顆粒はp62陽性であり、この顆粒をCLEM法で解析したところ、STING小胞の集合体であることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
粘性プローブの有効性を確認した上で、実際にp62液滴の微小粘性の測定技術とCLEM法を確立できたため。
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今後の研究の推進方策 |
1)粘性プローブをp62以外のタンパク質に応用する。具体的には、別の液滴として知られるストレス顆粒に局在するG3BP1、およびp62液滴に関してはその成分であるKEAP1などのクライアントタンパク質にプローブを付加して微小粘性の測定を行う。 2)p62液滴の粘性と隔離膜、および他の液滴分子との関係について、遺伝子改変した培養細胞を用いて調べる。 3)質量分析で得られた、比較的強い高浸透圧ストレス(0.8 Mショ糖添加)下で特異的に不溶性画分に集積する候補分子の解析を引き続き行う。
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