研究課題/領域番号 |
23H02690
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
古賀 友紹 熊本大学, 発生医学研究所, 講師 (30615092)
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研究分担者 |
甲斐 広文 熊本大学, 薬学部, 客員教授 (30194658)
斉藤 貴志 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90360552)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 炎症メモリー / エピジェネティクス / 遺伝子改変マウス |
研究実績の概要 |
免疫記憶は長い間、獲得免疫に特化した機能と考えられてきたが、近年、単球やNK細胞といった自然免疫細胞も、さらに組織幹細胞や線維芽細胞といった非免疫細胞もエピゲノム変動を介して炎症刺激を記憶し、その後の適応した応答を行うことがわかり、炎症の細胞記憶(炎症メモリー)の存在が提唱されている(Netea MG, Nat Immunol, 2015; Netea MG, Nat Rev Immunol, 2020)。炎症メモリーは、記憶を担う細胞種の多様性、1次炎症刺激と2次刺激の多彩性などから、まだまだ不明な点が多い。また、慢性炎症性疾患は、国内外を見ても大きな社会問題となっているが、その治療法はいまだ確立されていない。そこで本研究では、炎症メモリー細胞を可視化でき且つ除去できる遺伝子改変マウス(Inflammation-DEpendent Activation of Labeling & depletion system: IDEALマウス)を樹立し、病態モデルを用いて解析することで、炎症メモリー細胞を慢性炎症性疾患に対する創薬標的として提起し、炎症疾患治療研究にパラダイムシフトを起こせるのではないかと考えた。本年度は、IDEALマウスの樹立を目指した。その結果、炎症依存的に細胞が蛍光ラベルされるマウスを樹立できた。また、肺線維症のマウスモデル構築にも成功し、現在、IDEALマウスを用いて肺線維症の解析を行っている。また、炎症依存的なCreの発現誘導がやや弱かったため、新しい炎症依存的なCre誘導マウスの作製を開始した。また、慢性炎症の1つである肺線維症のモデルを用いて解析を進めた結果、ヒストン脱メチル化酵素KDM7Aを炎症メモリーの制御因子として同定することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度行う予定であったマウスの樹立、慢性炎症モデルを用いた評価について開始できていること、また並行して新しいモデルの構築、新規分子の同定など、研究提案の内容にfitした結果を上げることができているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は病態モデルの解析を肺、腎、脳において進め、責任細胞を同定し、分子メカニズムの解明へと繋げる。
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