研究課題/領域番号 |
23H02694
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小田 義直 九州大学, 医学研究院, 教授 (70291515)
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研究分担者 |
孝橋 賢一 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (10529879)
岩崎 健 九州大学, 大学病院, 准教授 (40766185)
橋迫 美貴子 九州大学, 大学病院, 助教 (70774678)
山本 猛雄 九州大学, 医学研究院, 助教 (50911616)
谷口 緑 九州大学, 医学研究院, 助教 (40965240)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 骨軟部腫瘍 / 腫瘍微小環境 / 腫瘍免疫 / 腫瘍代謝 |
研究実績の概要 |
2023年度は、未分化多形肉腫、平滑筋肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、軟骨肉腫、粘液型脂肪肉腫を解析した。 未分化多形肉腫においては、腫瘍免疫微小環境を中心に探索を行い、Tertiary lymphoid structure (TLS)の局在および成熟度とCD8陽性疲弊T細胞、形質細胞と病態との関係性について解析した。その結果、いくつかの予後不良因子を見出し、またTLSと免疫チェックポイント発現の関連性について見出した(2024年癌学会発表予定)。 平滑筋肉腫においては、RNA代謝を中心に解析を行った。平滑筋肉腫の細胞株を用いてRNAメチル化酵素のいくつかをsiRNAを用いてKnowck downを行ったところいくつかの分子で腫瘍増殖能の抑制が起きた。RNAの発現解析を行うと、細胞周期関連の遺伝子の発現抑制が起こった。 隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)においては、線維肉腫成分(FS)を有するDFSPのDFSP成分とFS成分とで、免疫チェックポイント分子、T細胞浸潤、組織球浸潤の局在を解析を行い、それぞれの成分において微小環境の差異があることを見出した。 軟骨肉腫においては、DNAのメチル化代謝について解析を行い、5hmCが高い腫瘍においては予後不良であること、この発現制御には、TET2が関係していること、RNAの網羅的発現解析において脱分化成分を有する軟骨肉腫の非脱分化成分と脱分化成分を有さない軟骨肉腫は、遺伝子発現パターンが異なることを見出した。 粘液型脂肪肉腫については、核形態の異型度について腎癌の悪性度指標に用いられているFurhrmanグレードを用いて評価したところ、高核異型度グレード群が予後不良となり、生検検体を用いた悪性度評価が可能であることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、解析が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って進めていく。
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