研究課題/領域番号 |
23H02818
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
池田 義之 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (00573023)
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研究分担者 |
窪薗 琢郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (00598013)
赤崎 雄一 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (00631920)
大石 充 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50335345)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 閉経女性 / 拡張性心不全 / ミトコンドリア / マイトファジー / NAD / サルコペニア |
研究実績の概要 |
2023年度は基礎研究を中心に研究を実施した。培養骨格筋細胞および培養心筋細胞を用いた研究において、培養液からエストロゲンを除去して培養した細胞では、ミトコンドリア機能が低下しミトコンドリア由来の酸化ストレスが増大し、ATP産生能が低下していた。さらに細胞老化が進展していた。骨格筋細胞においては、骨格筋芽細胞の分化もエストロゲン除去により抑制されていた。マウスを用いた動物実験も行った。雌8週齢のC57BL6マウスに卵巣摘除を行った「閉経モデル」群と、sham手術を施行した「対象群」を作成した。培養細胞実験と同様に、閉経モデル群では対象群と比較して、骨格筋および心筋におけるミトコンドリア機能が低下しミトコンドリア由来の酸化ストレスが増大し、ATP産生能が低下していた。また、筋力も閉経モデル群で低下していた。心機能に関しては、超音波検査上の左室収縮能および拡張能ともに両群間で明らかな差は認めなかった。 なお、臨床研究に関しては、本研究を科研に申請した当時の勤務先である鹿児島大学病院で研究を実施するべくIRB申請をはじめとした諸手続きを進めていたことろ、急遽所属長(鹿児島大学心臓血管・高血圧内科学教授で、本研究の分担者)より、代表研究者である筆者の「鹿児島大学離職」および「(医局の)関連施設への出向」を命じられたことから、諸手続きを中止せざるを得なかった。2024年度からは、国立病院機構南九州病院へ出向となったことから、同病院を中心に臨床研究を遂行するべく、IRB申請などの諸手続きを行っていく方針である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基礎研究に関しては、当初の予定よりも早く進捗できている。一方、上記の如く2023年度半ばに急遽所属長(鹿児島大学心臓血管・高血圧内科学教授で、本研究の分担者)より、代表研究者である筆者の「鹿児島大学離職」および「(医局の)関連施設への出向」を命じられた為に諸手続きを中止せざるを得なかったことから、臨床研究の分野においては遅れている状況にある。以上の進捗状況から、総じて「概ね順調」と判断している。
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今後の研究の推進方策 |
基礎研究においては、培養細胞実験・卵巣摘除による閉経モデルマウスを用いた動物実験ともに、高血圧(アンギオテンシンII添加・投与)や脂質異常(酸化LDL-cの添加や、High fat diet)の負荷をかけた状況での評価を行う。 臨床研究では、申請者の2024年度からの勤務先である「国立病院機構南九州病院」通院中の患者を対象に、心機能評価・栄養評価・フレイルサルコペニア評価を行うとともに、介入研究の準備を行う。
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