研究課題/領域番号 |
23H02820
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
矢部 一郎 北海道大学, 医学研究院, 教授 (60372273)
|
研究分担者 |
原 太一 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00392374)
矢口 裕章 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (00421975)
池内 健 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20372469)
高橋 秀尚 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30423544)
若林 孝一 弘前大学, 医学研究科, 教授 (50240768)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | Bassoon / タウオパチー / 進行性核上性麻痺 |
研究実績の概要 |
2016年-2019年基盤研究Cを拝受し、申請者は家族歴を有する進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy; PSP)の家系例から、Bassoon(BSN)遺伝子の変異によりタウオパチーが発症し進展する可能性があることを発見した(Yabe I, et al. Sci Rep 2018; 8: 819)。BSN遺伝子変異による病理像は3リピートと4リピートのタウ蛋白質が蓄積するタウオパチーであり、海馬硬化を伴い既存の報告にない病態であることも示した。その結果、申請者の論文を引用し、Bassoon proteinopathyという疾患概念が提唱された (Schattling B, et al. Nat Neurosci 2019; 22; 887-896)。この先行研究に基づき、申請者らは2020年~2022年まで基盤研究B (Bassoon proteinopathyの病態解析研究)を拝受しBSNタンパク質がPSPなどのタウオパチーにおいてどのように発症にかかわるか解明を試みた。それらの研究成果に基づき共同研究を多施設間で展開しており、2023年度においては、複数例のBSN遺伝子変異を有する剖検例を神経病理学的に検討する機会を得た。いずれも4リピートタウタンパク優位の蓄積を伴う点で共通しており、それらの結果について論文投稿中である。また、それら剖検例に認められたBSN変異の病原性解析についても検討する予定である。また、われわれが世界で最初に見いだしたBSN変異を導入したノックインマウスも作成済みであり、12ヶ月齢までの行動解析と病理学的解析を行っている。これらの結果についても、論文投稿中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2016年-2019年基盤研究Cを拝受し、申請者は家族歴を有する進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy; PSP)の家系例から、Bassoon(BSN)遺伝子の変異によりタウオパチーが発症・増悪する可能性があることを発見した(Yabe I, et al. Sci Rep 2018; 8: 819)。BSN遺伝子変異による病理像は3リピートと4リピートのタウ蛋白質が蓄積するタウオパチーであり、海馬硬化を伴い既存の報告にない病態であることも示した。その結果、申請者の論文を引用し、Bassoon proteinopathyという疾患概念が提唱された (Schattling B, et al. Nat Neurosci 2019; 22; 887-896)。この先行研究に基づき、申請者らは2020年~2022年まで基盤研究B (Bassoon proteinopathyの病態解析研究)を拝受しBSNタンパク質がPSPなどのタウオパチーにおいてどのように発症にかかわるか解明を試みている。 これらの研究を基盤として、2023年度においては、ヒト検体において複数例でのBSN遺伝子変異例病理所見を得た。こちらに関しては、現在論文投稿中となっている。またモデルマウスの作製も行い、行動解析と病理学的解析を行い、こちらも論文投稿を行っている。 上記のように、現在論文化を行っているため。
|
今後の研究の推進方策 |
2016年-2019年基盤研究Cを拝受し、申請者は家族歴を有する進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy; PSP)の家系例から、Bassoon(BSN)遺伝子の変異によりタウオパチーが発症・増悪する可能性があることを発見した(Yabe I, et al. Sci Rep 2018; 8: 819)。BSN遺伝子変異による病理像は3リピートと4リピートのタウ蛋白質が蓄積するタウオパチーであり、海馬硬化を伴い既存の報告にない病態であることも示した。その結果、申請者の論文を引用し、Bassoon proteinopathyという疾患概念が提唱された (Schattling B, et al. Nat Neurosci 2019; 22; 887-896)。この先行研究に基づき、申請者らは2020年~2022年まで基盤研究B (Bassoon proteinopathyの病態解析研究)を拝受しBSNタンパク質がPSPなどのタウオパチーにおいてどのように発症にかかわるか解明を試みている。 これらの研究を基盤として、2023年度においては、ヒト検体において複数例でのBSN遺伝子変異例病理所見を得た。こちらに関しては、現在論文投稿中となっている。またモデルマウスの作製も行い、行動解析と病理学的解析を行い、こちらも論文投稿を行っている。 現在上記のように、論文採択に向けて投稿を行っており、論文化を目指す。さらに今後不死化細胞株を用いた、BSN遺伝子変異による病原性解明を行う予定である。
|